在宅レセプトは難しい?医療事務の採用コストと代行サービスの上手な使い方
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訪問診療クリニックを開業しようとしている医師や事務長の中には、「在宅レセプトについて、外来レセプトとの違いを知りたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
在宅レセプトは外来レセプトよりも専門的な知識を要するため、作成の難易度が高いです。
本記事では、在宅レセプトと外来レセプトの違いや、開業時から効率的にレセプト関連業務を進める方法について解説します。在宅レセプトの特性を理解し、スムーズな医療事務採用を実現しましょう。
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在宅レセプトとは?外来診療レセプトとの違い
在宅レセプトとは、往診や訪問診療を行ったときに発生する医療費の請求書です。患者さんが加入している健康保険や国、市町村などに請求します。在宅レセプトの作成が難しいとされる理由は、以下のとおりです。
- 外来レセプトとは算定の考え方が異なるものがある
- 算定点数が施設基準によって変化する
- 介護保険が適用されるケースがある
- 公費を併用するパターンが多い
在宅レセプトと外来レセプトの異なるポイントを具体的に解説します。
外来レセプトとは算定の考え方が異なるものがある
在宅レセプトには、外来レセプトと算定の考え方が異なるものが存在します。
外来で患者さんを診察すると、初診料または再診料を算定しますが、在宅レセプトでは状況に応じて以下を適切に算定しなければなりません。
- 往診料:患者さんや家族から依頼を受けて診察に行った場合に算定
- 訪問診療料:あらかじめ訪問診療をする計画のとおりに診察に行った場合に算定
さらに、これらは算定回数をカウントするルールも異なります。往診料であれば1日に2回以上の算定も可能です。週や月で算定回数の上限もありません。
一方で、訪問診療料が算定できるのは1日1回のみで、原則として週に3回までと定められています。
また、往診では往診料に加えて初診料や再診料を別途算定できますが、訪問診療料と初・再診料の併算定は認められていません。このように、在宅レセプトは診察時の状況や回数の制限を考慮し、作成しなければならないのです。
算定点数が施設基準によって変化する
在宅レセプトでは、医療機関の施設基準によって点数が変化する項目があります。在宅医療を行える診療所の種類は以下の3つです。
- 一般の診療所
- 在宅療養支援診療所
- 機能強化型在宅療養支援診療所
たとえば、在宅医療のなかでも点数の大きい「在宅時医学総合管理料」は、一般の診療所であれば560~3,450点ですが、在宅療養支援診療所であれば680~4,600点になります。
このように、在宅医療では診療内容だけでなく、クリニックの施設基準も考慮してレセプトを作成するスキルが求められるのです。
介護保険が適用されるケースがある
在宅レセプトでは、健康保険だけでなく介護保険を併用するケースがあります。特に、訪問看護や訪問リハビリを自院で提供しているクリニックでは、介護報酬の知識が必須です。
診療報酬は1点10円ですが、介護報酬は1単位10円で計算されます。加えて、介護報酬は単純な単位の積み重ねだけでなく、サービスごとの人件費割合や地域ごとに定められた上乗せ割合が加算されるなど、診療報酬とは根本的に考え方が異なります。
医療事務経験者であっても、介護報酬に触れたことがある人はごく少数です。診療報酬だけでなく介護報酬の知識まで求められるため、在宅レセプトは難しいとされています。
公費を併用するパターンが多い
在宅レセプトでは、健康保険だけでなく公費を併用するパターンが多くあります。在宅医療を必要とする患者さんは基本的に通院が困難な病状であり、何らかの公費助成の対象になっている可能性が高いためです。
外来診療クリニックでも、子どもやひとり親家庭の医療費を助成する受給者証などは目にする機会があるでしょう。しかし、公費は他にも数多く存在します。
指定難病や小児慢性特定疾病などでは、患者さんが1ヵ月に支払う自己負担上限金額が決まっているため、他院や薬局の医療費まで確認しなければなりません。
また、複数の公費を受給している患者さんもいます。公費には適用の優先順位があり、数が多いほどレセプトは複雑になります。公費を併用するケースが多いのも、在宅レセプトの作成が難しいとされている理由のひとつです。
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訪問診療クリニックの医療事務の仕事内容
訪問診療クリニックの医療事務の仕事は、外来診療クリニックとは異なるものがあります。具体的な業務例は以下のとおりです。
- 会計・レセプト作成および患者さんへの医療費請求
- 書類管理・作成
- 訪問診療のための準備(処方箋・薬剤などの物品)
- 往診の同行
- 関係各所との連携(訪問看護ステーション・薬局・ケアマネージャーなど)
会計やレセプトの作成は訪問診療でも外来診療でも求められます。しかし、往診の同行や、訪問看護ステーションをはじめとした関係各所との連携は、訪問診療クリニックならではの仕事です。
加えて、訪問診療クリニックでは訪問診療の計画書や訪問看護指示書といった、必要な書類が多いのも特徴です。管理はもちろん、医師の指示のもと医療事務が書類を作成することもあります。
訪問診療クリニックの医療事務の仕事は幅広く、多岐にわたるスキルが求められるのです。
訪問診療クリニック開業時に考える医療事務採用のポイント
医療事務を採用するにあたって、以下を意識することが重要です。
- 訪問診療クリニックに必要な医療事務の人数
- 医療事務を採用するコスト
- 訪問診療クリニック医療事務の採用難易度
本章では、具体的に考慮すべきポイントについて解説します。
訪問診療クリニックに必要な医療事務の人数
訪問診療クリニックでは、最低でも1人の医療事務が必須です。前述したように、訪問診療クリニックの医療事務の仕事は幅広いうえに複雑なため、医師や看護師が代理で行うのは難しいでしょう。
また、開業時や患者数が少ないうちは1人の医療事務でも対応可能ですが、患者数が増加すると全ての業務を1人で行うのは困難です。診療する患者数に応じて、医療事務の人数も適切に配置する必要があります。
医療事務の平均賃金
厚生労働省の「職業情報サイトjobtag」に掲載されている求人統計データによると、令和4年度の医療事務の平均求人賃金は、月額20.5万円です。
しかし、在宅医療に精通した人材を探す場合は、さらに高い給与を求められることもあります。その理由は、在宅医療の医療事務業務は高い専門性が必要だからです。
未経験者であれば相場よりも安い賃金で採用可能なケースもありますが、その場合は教育コストを考慮しなければなりません。在宅レセプトの作成方法や、訪問診療クリニック特有の業務を覚えるまでに時間がかかります。
医療事務の採用はクリニックの重要な課題のひとつですが、経験豊富な人材の採用と人件費の抑制を両立するのは、難しいのが実情です。
訪問診療クリニック医療事務の採用難易度
訪問診療クリニックで医療事務を採用する難易度は高いです。特に、在宅医療の経験がある医療事務を採用したい場合は、より難しい可能性があります。
厚生労働省の「職業情報サイトjobtag」によると、医療事務の就業者は全国に約370万人いますが、この中で在宅医療に携わったことのある医療事務はごくわずかです。加えて、外来診療の経験がある医療事務も「在宅医療は大変そう」というイメージがあるため、敬遠されがちな傾向があります。
訪問診療クリニックで医療事務を採用するハードルを少しでも下げるためには、レセプト代行サービスの利用がおすすめです。レセプト代行サービスの詳細や、得られる効果については次章でご紹介します。
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訪問診療クリニックではレセプト代行サービスを有効活用しよう
レセプト代行サービスとは、レセプトに関連する業務を外部に委託するサービスです。訪問診療クリニックの医療事務の仕事において、最もネックとなるのはレセプト関連業務のため、それがなくなるだけで就業のハードルが下がります。
加えて、レセプト代行サービスを活用すると、次のようなメリットもあります。
- 在宅医療に詳しいプロがレセプトを作成する
- 院内スタッフだけでなく複数人が確認するため、ミスの見落としを防げる
- クリニックの医療事務はレセプト以外の業務に集中できる
レセプト代行サービスを利用すると、算定漏れや返戻・査定のリスクが減少します。これらはクリニック経営に大きく関わるので、経験豊富なプロに作成してもらうと安心です。
また、クリニックの医療事務は多数ある他の業務に集中でき、ひいては離職リスクの軽減にもつながります。訪問診療クリニックの医療事務採用でお悩みの場合は、レセプト代行サービスの活用も検討してみてください。
在宅医療レセプト代行なら「レセサポ」がおすすめ
患者さんにより良い医療を提供するためにも、在宅レセプトに詳しい医療事務の採用は欠かせません。
とはいえ、在宅レセプトは、外来レセプトと比較して難易度が高いため、就業のハードルも高くなりがちです。なかなか在宅医療の経験が豊富な医療事務が見つからない場合も多いでしょう。
そんなときは、レセプト代行サービスを活用するという方法があります。特に、訪問診療クリニックであれば在宅医療に特化したレセプト代行サービス「レセサポ」がおすすめです。
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