- #診療報酬
厚生労働省は2026年1月14日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会で、2026年度診療報酬改定に向けた賃上げ対応の方向性を示しました。
医療従事者の人材確保と処遇改善を目的に、これまで対象外とされてきた職種も含め、ベースアップ評価料の対象を拡大する方針です。制度の簡素化や、外来・在宅医療分野への配慮も盛り込まれています。
事務職員や若手医師も対象に
今回示された案では、2024年度改定において入院基本料などで賃上げ対応が行われていた事務職員や40歳未満の勤務医師・歯科医師についても、ベースアップ評価料の枠組みに原則として統合する方針が示されました。
対象職種を広げることで、賃上げ措置をより分かりやすく、確実に医療現場へ行き渡らせる狙いがあります。
また、医師については勤務形態や賃金水準のばらつきを踏まえ、人数に応じた一定額を用いて評価区分を算出する方法が検討されています。これにより、多様な医療機関でも制度を活用しやすくなるとしています。
外来・在宅ベースアップ評価料は算定実績に応じた評価へ
外来・在宅医療を対象とする外来・在宅ベースアップ評価料(I)については、2024~2025年度の算定状況を踏まえ、2026年度改定では評価に差を設ける方向性が示されました。
早期から評価料を届け出ていた医療機関ほど、より高い評価を受けられる仕組みとすることで、制度活用を後押しします。
一方、無床診療所などを対象とする外来・在宅ベースアップ評価料(II)については、届け出率が低い現状を踏まえ、追加的な賃上げが必要な医療機関を評価する枠組みとして、現行制度を維持する方針です。
在宅医療機関にも影響、手続き負担の軽減策も
外来・在宅ベースアップ評価料の算定において、算定期間中の区分見直しを原則不要とし、年1回の報告に集約するなど、事務負担を軽減する方向性が示されました。
さらに、複数事業所を持つ法人については、給与総額を法人単位で合算・按分できる仕組みの導入も検討されています。在宅医療を含む複数拠点運営の事業者にとって、制度を活用しやすくなる可能性があります。
今回示された賃上げ対応案については、診療側・支払い側の委員双方から大きな反対意見は出ておらず、今後はパブリックコメントや個別項目の議論を経て、2026年度診療報酬改定の具体化が進められる見通しです。
在宅医療分野においても、人材確保と経営安定の観点から、今後の制度設計が注目されます。
参考:中央社会保険医療協議会 総会(第641回)賃上げについて(その2)







