中央社会保険医療協議会(中医協)は、2026年度診療報酬改定に向け、厚生労働省が示した「項目整理案」を基に本格的な議論を開始しました。今回の整理は、今後検討される個別の評価項目の土台となるもので、物価高騰や賃上げへの対応、医療機能の分化・連携など、医療提供体制全体を俯瞰した論点が幅広く盛り込まれています。
物価高騰・人件費上昇への対応が大きな柱に
整理案では、近年続く物価上昇や人件費の増加が医療機関経営に与える影響を踏まえ、診療報酬でどのように対応するかが重要なテーマとして位置付けられました。入院医療や外来医療を含む基本的な診療報酬の在り方に加え、既存の枠組みでは十分に評価しきれないコスト増への対応についても、今後の検討課題として整理されています。
こうした議論は、医療提供体制を持続可能なものとするための前提条件として、改定全体に関わる共通論点といえます。
医療機能の分化・評価指標の見直しも焦点に
今回の項目整理では、急性期、回復期、慢性期といった医療機能の役割分担をより明確にし、それぞれの機能に応じた評価を行う方向性も示されました。病院医療だけでなく、地域で完結する医療提供体制をどう構築していくかという視点が盛り込まれており、医療機関間の連携や役割分担の在り方が改めて整理されています。
在宅医療については「役割」と「持続性」が論点に
在宅医療分野については、医療提供体制全体の中で果たす役割をどう位置付けるかという観点から整理が行われています。高齢化の進展に伴い、在宅で療養を続ける患者が増加する中、病院医療との連携や、多職種が関わる在宅医療体制の重要性が前提として共有されました。
また、在宅医療を支える人材確保や業務負担、運営コストといった課題も背景に、今後の診療報酬評価の在り方を検討していく必要性が示されています。今回の段階では具体的な点数や算定要件には踏み込んでいないものの、在宅医療の継続性や質をどのように評価していくかが、今後の論点になるとみられます。
今後のスケジュール
中医協は、今回整理された論点を基に1月下旬以降、個別の評価項目について詳細な審議を行い、2月上旬の答申に向けて詰めの議論を進めていく予定です。最終的な改定内容は、診療報酬点数や新たな加算項目として年度内に正式に決定されます。今回の整理作業は、診療報酬改定の方向性を固める重要なステップと位置付けられています。






