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急激な物価上昇が医療機関の経営に大きな影響を与えていることを受け、診療報酬制度の対応が重要なテーマとして中央社会保険医療協議会(中医協)の総会で議論されています。2026年度の診療報酬改定に向けて、物価変動に対応した複数の方策が検討段階に入りました。
物価高騰対応の2本柱:基本報酬の引き上げと新点数
従来の診療報酬改定では、基本的な診療料の調整を中心に行われてきましたが、物価の急激な上昇により、医療機関のコスト増加を十分に吸収できない状況が続いています。このため、
- 入院基本料や初診・再診料など既存項目の引き上げ
- 物価上昇分を評価する「新点数」の創設
という2つの対応策が中医協で検討されています。新点数は、物価変動に起因するコスト増を診療報酬に反映するための新たな評価項目です。これにより、従来の基本料引き上げだけでは不十分な部分を補完し、医療機関経営の安定化につなげる狙いがあります。
段階的対応を想定した点数設計
議論の方向性としては、2026年度から物価高騰対策を本格的にスタートさせ、2026年度と2027年度にわたって段階的に対応を行う可能性が示されています。たとえば、外来・入院それぞれの診療行為に対して、
- 2026年度:基本診療料の引き上げ+新点数の一部を加算
- 2027年度:新点数のレベルを引き上げ、より物価変動を反映
といった形で評価ポイントを分けていく案です。この仕組みにより、急激な物価上昇の波を2年かけて吸収することが検討されています。
現場からは具体的な点数設定への関心も
医療現場からは、「実際にどの程度の点数が引き上げられるのか」「新点数がどのような計算式で評価されるのか」といった具体的な数字への関心が高まっています。また、クリニック・病院・歯科診療所・薬局など、診療形態ごとに収益構造が異なるため、制度設計は慎重に行われる必要があります。こうした意見は中医協内でも共有され、具体的な対応策の詰めが続けられています。
今後の見通し
最終的な診療報酬の改定内容は、2026年2月頃に報酬改定の答申として取りまとめられる見込みです。それまでに、中医協での議論はさらに深まり、医療現場や患者双方にとって公平かつ持続可能な診療報酬体系の構築が求められています。今後の議論内容に注目が集まっています。







