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医療業界全体でIT化・デジタル化が進む中、訪問診療クリニックにおいても電子カルテ導入はもはや検討段階から実行段階へと移りつつあります。
一方で、
- 「紙カルテを一気にやめるのは不安」
- 「現場が混乱しそうで踏み出せない」
- 「診療が止まるリスクを取りたくない」
といった理由から、導入を先送りしているクリニックも少なくありません。
本記事では、在宅医療の現場に即した視点で、紙カルテから電子カルテへスムーズに移行するためのポイントを解説します。
在宅医療における紙カルテ運用の「4つの限界」
在宅医療の現場では、医師や看護師、事務スタッフが連携しながら、限られた時間の中で診療を行っています。紙カルテ運用は現場の負担を増やし、医療の質や経営にも影響を及ぼしてしまいます。
① 情報共有のタイムラグが生じやすい
在宅医療では、複数のスタッフが同一患者に関わるケースがほとんどです。
紙カルテの場合、
- カルテの保管場所まで戻らないと確認できない
- 他のスタッフが持ち出していると閲覧できない
といった問題が発生し、緊急時の迅速な判断・対応を妨げる要因になります。
② 記載漏れ・判読性の問題による医療安全リスク
手書きの紙カルテは、記載漏れ、文字の読みにくさ、書き手による情報のばらつきといった課題が避けられません。これは情報の取り違えや伝達ミスにつながり、医療安全上のリスクにもなります。
③ 保管スペースと検索性の低さ
患者数の増加とともに、紙カルテは膨大な量になります。
- 保管スペースを圧迫する
- 過去の診療情報を探すのに時間がかかる
といった問題は、日々の診療効率を確実に下げていきます。
④ 医師・スタッフの事務負担が大きい
訪問看護指示書や診療情報提供書など、在宅医療では日常的に多くの書類作成業務が発生します。
さらに、在宅医療特有の複雑な診療報酬体系により、請求処理にも時間と手間がかかります。
紙カルテ運用のままでは、電子化と比べて業務に要する時間が大幅に増え、医師やコメディカルスタッフの大きな負担となってしまいます。
国が推進する「医療DX」と診療報酬への影響
現在、国は医療DXを強力に推進しています。
オンライン資格確認の義務化や電子処方箋の導入など、医療のデジタル化はすでに現場レベルで求められる段階に入っています。
今後の診療報酬改定では、情報連携やデジタル活用を評価する流れがさらに強まると考えられます。
電子カルテを導入していないことが、将来的に経営上の不利につながる可能性も高まっています。
在宅医療で電子カルテを導入する3つのメリット
電子カルテへの移行は、単なる「紙からデジタルへの置き換え」ではありません。
医療の質と業務効率を同時に高めるための基盤整備です。
① 訪問先でリアルタイムに情報参照が可能
電子カルテを導入することで、訪問先でも過去の診療履歴や検査結果をすぐに確認できるようになります。その場で必要な情報を把握できるため、診療の判断精度が向上します。
② 書類作成・レセプト業務の圧倒的な効率化
電子カルテのテンプレート機能や自動入力機能を活用することで、訪問看護指示書や各種診断書・診療情報提供書の作成にかかる時間を大幅に短縮できます。
さらに、レセコンと自動連携することでレセプト業務も効率化され、これまで事務作業に費やしていた時間を、より多く「患者さんと向き合う時間」へと振り向けることが可能になります。
③ 多職種連携(チーム医療)の強化
在宅医療では、医師・看護師・ケアマネジャー・薬剤師など多くの職種との連携が欠かせません。電子カルテを活用することで、地域の多職種と情報を共有し、最新の診療情報をリアルタイムで連携できるようになり、院内・院外を含めたチーム医療の質が大きく向上します。
④ 診療報酬で評価
今後の診療報酬制度では、電子カルテ仕様が前提となった「情報連携」「医療DXへの対応」といった取り組みが、より明確に評価されていくと考えられます。
電子カルテの導入は、将来を見据えた診療体制・経営体制づくりの第一歩と言えるでしょう。
紙カルテから電子カルテへの移行のポイント
失敗の多くは「一括移行」にある
電子カルテ導入における最大の失敗パターンは、「今日からすべて電子化する」という極端な切り替えです。操作への不慣れによって業務時間が伸びてしまったり、過度な変化がスタッフへの負担となります。
これらのリスクを回避するために有効なのが、「紙カルテ併用(ハイブリッド運用)」です。
段階的に進める「ハイブリッド型移行」4つのステップ
紙カルテから電子カルテへの移行にあたり、現場の混乱を最小限に抑えるための具体的なプロセスを紹介します。
ステップ1:まずはベンダーに相談
在宅医療の診療体制や業務フローを理解しているベンダー(電子カルテの提供会社)に早い段階で相談することです。特に在宅医療では、外来中心の電子カルテでは対応しきれない運用が多く、段階的な移行を前提とした設計支援が受けられるかが重要になります。
導入する電子カルテが決まっていない場合でも移行方法も含めて数社に相談してみることをおすすめします。
ステップ2:紙と電子の「併用ルール」を策定する
カルテの移行期間において最も重要なのが、「どこに何が書いてあるか」「最終的にどれが正しい情報か」を現場全員が迷わず判断できる状態を作ることです。ここが曖昧なまま導入すると、二重記載や確認作業が増え、診療効率と医療安全の両面で大きなリスクになります。
① 「何を、どちらに書くか」の区分け
すべての情報を一度に電子化する必要はありません。
在宅医療の現場では、以下のような運用からスタートするのが一般的です。
- 新規患者は「電子カルテ」のみ: 過去のカルテ情報のない新規患者さんから順次電子化するとスムーズです。
- 既存患者は「ハイブリッド」: 過去の経緯は紙を参照し、日々の診療経過記録(SOAP)や処方入力から電子化を開始します。
- 外部書類の扱いを決める: 他院からの紹介状や同意書の原本は「紙」で保管し、内容の要約やスキャンデータのみを「電子カルテ」に載せるといったルールを決めます。
② どちらが「正」か。データの同期ルール
紙と電子の両方に記録が残る期間は、必ず「どちらが正本(正しい最新データ)か」を定義してください。 「経過記録は電子カルテが正」「署名が必要な同意書は紙が正」といったルールが徹底されていないと、情報の齟齬が起き、重大な医療ミスに繋がりかねません。
③ 過去カルテの取り扱い:スキャンは「しない」選択も
必ずしも過去の紙カルテをすべて電子化する必要はありません。 実際には、「過去分は紙のまま保管し、必要な時にだけ参照する」というクリニックが非常に多いのが実情です。無理にすべてをデジタル化しようとせず、診療に必要な情報だけを順次移行していくのが、在宅医療の現場に負担をかけないコツです。
ステップ3:事前の操作確認の研修や移行後の継続的な改善
全スタッフが事前の操作研修を受け、まずは電子カルテへの抵抗を減らすことも大切です。移行後もスタッフからのフィードバックを収集し、ルールを修正していくなど継続的な改善を行います。
紙カルテをスキャンする際の法的ルールと注意点
紙カルテを電子化して原本を破棄する場合は、厚生労働省が定めた「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版(令和5年5月)」への対応が必要です。
「電子署名」と「タイムスタンプ」が付与され、そのデータが適切に管理されていれば、電子データは医師法で定められた5年間の保存義務を満たすことができます。よって、元の紙カルテは廃棄することが可能です。
電子署名:電子文書が「間違いなく本人によって作成されたこと」と「内容が改ざんされていないこと」を証明する仕組みで、紙の文書におけるサインや押印に相当します。
タイムスタンプ:電子データが「いつ」存在し、それ以降「改ざんされていないこと」を第三者が証明する仕組みです。
ただし、スキャン作業やタイムスタンプの運用には手間とコストがかかるため、運用が定着するまでは「重要な書類の原本は保管しておく」という判断も現実的です。
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1. 在宅医療のトップランナー「悠翔会 佐々木淳理事長」が開発協力
医療法人社団悠翔会の佐々木淳理事長が開発に全面協力しています。 実際の訪問診療業務、多職種連携の煩雑さ、書類作成の苦労を実体験として持つ医師の視点が細部にまで反映されているため、現場での「使いやすさ」が桁違いです。
2. 月額2万円から。スモールスタートに最適な価格設定
「電子カルテは高い」という常識を覆し、月額20,000円(税別)からの導入が可能です。 紙カルテ併用期間中もコスト負担を最小限に抑えながら、無理のないペースでデジタル化を推進できます。
3. レセ代行・個別指導サポートで「経営」も守る
単なる記録ツールにとどまらず、クリニック経営をトータルで支えるサービスが充実しています。
- レセプト代行サービス: 複雑な在宅医療の算定を専門スタッフが代行します。
- 個別指導対策: 個別指導対策も経験豊富なコンサルタントが現場でサポート。カルテ運用などのアドバイスや事前の指導シュミレーションも行います。
紙カルテの限界を感じながらも、移行の一歩が踏み出せなかった皆様。
homisなら、現場の混乱を最小限に抑え、スタッフが笑顔で患者さんと向き合える環境を構築できます。
「まずはカルテに触れて、自院に合うか確認したい」
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そのような方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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まとめ
在宅医療における電子カルテ移行は、単なるツールの変更ではなく、「持続可能な医療体制」を作るための経営戦略です。
「紙カルテ併用」というクッションを置くことで、スタッフの安心感と診療の安全を守りながら、着実にデジタル化を進めることができます。
まずは、現在の業務のどこに一番時間がかかっているのか、スタッフの皆様と話し合うことから始めてみてはいかがでしょうか。










