- #診療報酬
2026年1月23日(金)に2026年度(令和8年度)診療報酬改定に向けた個別改定項目(いわゆる「短冊」)が公開されました。
在宅医療・訪問診療に関しても、今後の制度設計や評価の見直しを示唆する項目が盛り込まれており、現場への影響が注目されます。
在宅医療機関が注目すべきトピック
➀在宅緩和ケア充実診療所・病院加算の見直し
- 在宅緩和ケア充実診療所・病院加算について、名称を見直し(「在宅医療充実体制加算」)た上で、 要件及び評価を見直す。
- 施設基準が「在宅緩和ケアを行うにつき十分な体制が整備され、相当の実績を有していること。」から「地域の重症な在宅患者に対し質の高い診療を行うにつき十分な体制が整備され、相当の実績を有していること。」へ変更。
②往診時医療情報連携加算の見直し
- 被支援側が機能強化型の在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院以外である場合においても算定可能とする。
③退院直後の訪問栄養食事指導に関する評価の新設
- 退院直後に、入院保険医療機関の管理栄養士が患家等を訪問し、患者又はその家族等退院後に患者の在宅療養支援に当たる者に対して、退院後の在宅における栄養管理や食生活に関する指導を行った場合の評価を新設する。
④連携型機能強化型在宅療養支援診療所の見直し
- 連携型の機能強化型在宅療養支援診療所について、平時から訪問診療 を行っている医師により、時間外往診体制を確保している施設と、それ 以外の施設に評価を分ける。
- 医療機関での「自前」の24時間体制が重視され、第三者(株式会社等)による外部委託への評価が厳格化。
⑤在宅療養支援診療所・病院の見直し
- 在宅療養支援診療所・病院の要件に、業務継続計画の策定及び定期的 な見直しを行うことを追加する。
- 「BCP策定」が施設基準要件へ。
⑥在宅時医学総合管理料等の見直し
- 在宅時医学総合管理料及び施設入居時等医学総合管理料の「月2回以上訪問診療を行っている場合」の算定条件が厳格化。
- 軽症者の割合が高い診療所は月2回の在医総管・施設総管が算定できない可能性も。
⑦在宅療養指導管理材料加算の算定要件の見直し
- 全ての在宅療養指導管理材料加算について、算定要件を「3月に3回」に統一する。
⑧医師と薬剤師の同時訪問の推進
- 訪問診療を行う医師と訪問薬剤管理指導等を行う薬剤師が、在宅患者を同時訪問することについて、新たな評価を行う。
- 調剤報酬において、訪問薬剤管理指導等を行う薬剤師が、訪問診療を行う医師と同時訪問することについて、新たな評価を行う。
⑨残薬対策に係る地域包括診療料等の見直し
- 地域包括診療加算及び地域包括診療料について、診療の際、患家における残薬を確認した上で適切な服薬管理を行うことを要件とする。
- 地域包括診療加算及び地域包括診療料の算定患者への処方薬を把握し管理する手段の一つとして、電子処方箋システムの活用が含まれることを明確化する。
- 在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料において、診療の際、患家における残薬を確認した上で適切な服薬管理を行うことを要件とする。
- 指定訪問看護の提供に当たり、服薬状況(残薬の状況を含む。)の確認も含めて利用状況等の把握を行う必要があることを明確化する。また、服薬状況について、主治医への情報提供とともに、薬局への情報 提供を行うことが望ましいことを規定する。
⑩へき地診療所における在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料の見直し
- 在宅患者の時間外対応体制について、医師の派遣元の保険医療機関が担うことで確保している場合においては、へき地診療所における在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料の算定を可能とする。
2026年改定「短冊」から在宅医療機関が今考えるべきこと
今回公開された2026年度診療報酬改定の「短冊」からは、在宅医療の「量」から「質」へのシフトがより一層明確に読み取れます。
現時点ではあくまで「短冊」段階であり、今後の中医協議論で内容が変わる可能性はありますが、制度の方向性としては明確です。
在宅医療機関には、 「質の高い在宅医療が提供できているか」がこれまで以上に問われる改定になると考えられます。
今後も続報を注視しつつ、自院の体制・算定・連携のあり方を早めに点検することが重要です。







