2026年度(令和8年度)の診療報酬改定に向け、支払側と診療側がそれぞれの意見書を提出しました 。
1. 支払側:効率化と実績重視の適正化
支払側は、医療資源の有効活用の観点から、訪問形態や実効性に応じたメリハリのある評価を求めています。
訪問形態による評価の適正化:患者の状態や提供する医療内容、さらには施設と自宅という訪問先の違いを踏まえた評価体系に見直すべきとしています 。
短時間・頻回訪問の是正:短時間で効率的な訪問を繰り返すケースなど、実態を踏まえた評価の適正化を求めています 。
在支診・在支病の評価再編:機能強化型の在宅療養支援診療所・病院について、在宅緩和ケア充実加算を統合する形などで、実績や役割に応じたきめ細かい評価体系に見直すべきとしています 。
24時間体制への協力度評価:連携型の機能強化型在支診において、実際の24時間体制への協力度合い(往診体制の確保時間等)に応じて評価にメリハリを付けることを提案しています 。
外部代行サービスのルール化:夜間・休日の往診代行等の民間サービスを活用する場合、責任主体を明確にし、患者の了解を得る運用の徹底を求めています 。
2. 診療側:体制維持と専門性の評価拡充
診療側は、在宅医療のさらなる推進と質的な向上を目指し、以下について要望をだしています。
機能強化型在支診の「病床有無」による点づう格差是正:有床・無床にかかわらず医療行為の実態は同等であり、無床診療所でも入院依頼等の後方支援業務が発生していることから、無床であっても有床診療所と同等の点数とすることを求めています 。
「下り搬送」を受け入れる医療機関への評価:急性期病院等から転院(下り搬送)される患者について、搬送元だけでなく、実際に患者を受け入れた側の医療機関に対する評価もあわせて行うよう提案しています 。
複数診療科によるチーム医療の推進:主治医の専門以外の診療科が加わるチーム医療を推進するため、専門的な処置を要する場合などに、月に複数回の訪問診療料を算定可能にする要件緩和を求めています 。
小児在宅医療の充実(体重制限の緩和):在宅小児経管栄養法指導管理料について、15歳以上であっても15歳未満から継続している場合は、現行の「体重20kg未満」という制限に関わらず算定可能とすることを求めています 。
「人生会議(ACP)」を評価する新管理料の創設:本人の意思を尊重する意思決定支援(ACP)を推進するため、医療従事者を交えた取り組みを適切に評価する「終末期に向けての意思決定支援管理料」の新設を要望しています 。
3. 今後の在宅医療への影響
施設訪問への適正化: 支払側が「頻回訪問の評価適正化」を挙げていることから 、高齢者住宅等への訪問を主とするモデルは報酬が下がる可能性が高い状況です。
実績、役割、24時間体制への協力度に応じた評価の見直し: 支払側は、機能強化型在支診について「実績・体制・役割の違い」や、実際の「24時間体制に協力する度合い」に応じた評価の差別化を求めています 。体制だけでなくネットワーク内での実質的な貢献度が点数に反映される可能性があります
高度・専門的な管理への評価拡充の可能性: 診療側が要望する「ACPの評価」や「複数診療科による管理」が検討対象となっているため、専門的なスキルや手厚い意思決定支援を伴う在宅医療については、新たな評価軸が加わる可能性があります 。







