医療法人経営情報データベース(MCDB)への情報登録が2025年4月から新システムへ移行|2025年2月末までの利用申請を!

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医療法人経営情報データベース(MCDB)への情報登録が2025年4月から新システムへ移行|2025年2月末までの利用申請を!

厚生労働省は、医療法人経営情報データベース(MCDB) の情報登録方法を2025年4月から「WAM NET」上の新システムに移行 することを昨年発表しました。これに伴い、新システムのスムーズな利用開始のため、医療法人は2025年2月28日までに利用申請を行うことが推奨されています。
しかし、新システムへの利用申請は全体の約12%(1月20日時点)にとどまっており、厚労省は関係団体へ事務連絡を出し、医療法人への周知を行うよう再度依頼しました。

参照)厚生労働省|医療法人の事業報告書等及び経営情報等の電子的届出に係る報告システムについて(再周知依頼)

本記事では、新システムの概要、申請手順、留意点について詳しく解説します。
まだ新システムの利用申請をしていない医療機関はこちらの記事を参考に早めの準備を進めましょう。

新システム移行の背景と目的

医療法人経営情報データベース(MCDB)とは?

MCDB(Medical Corporation Database)は、医療法人の経営情報を収集・管理する厚生労働省のデータベースです。2023年8月から、原則としてすべての医療法人に対し「会計年度終了後に、すみやかに経営情報を報告する」義務が課されています。これらのデータをMCDBに登録することで、医療法人の経営実態が国や自治体により適切に把握されます。

なぜ新システムへ移行するのか?

従来、MCDBの情報登録は「医療機関等情報支援システム(G-MIS)」を通じて行われていましたが、以下の業務の効率化や利便性の向上のため、福祉医療機構がWAM NET上に構築する新システムへ移行 します。

新システムの主な特徴

WAM NET上に構築される新システムでは、以下の点が改善されます。

  • アカウント発行の迅速化:ID発行までの時間が短縮されます。
  • データ登録方法の多様化:複数のデータ登録方法が提供され、利便性が向上します。
  • 入力内容の整合性チェック機能:入力データの整合性を自動でチェックする機能が追加されます。
  • 前年度情報の自動入力:前年度に登録した情報を自動的に反映させることで、入力の手間を軽減します。

新システムの利用申請方法

2025年4月のスムーズな開始のため、2025年2月28日までに事前申請することが推奨されています。

利用申請の流れ

  1. WAM NET上の登録フォームから利用申請を行う。
  2. ID発行完了の通知が送られてくる。
  3. 2025年4月以降、新システムにログインし、データ登録開始

【注意】G-MISを利用している法人も、改めて利用申請が必要です。

注意すべきポイント

2025年3月でG-MISの利用終了

2025年3月31日をもってG-MISからの登録が完全に終了します。
G-MISに登録済みのデータは新システムへ引き継がれないため、必要なデータは事前に保存しておくことが推奨されます。

紙媒体での報告は引き続き可能

新システム導入後も、従来どおり紙媒体での報告が認められています。
ただし、デジタル登録のほうが都道府県とのやり取りがスムーズになるため、移行が推奨されています。

申請遅れに要注意!

2025年4月にスムーズに新システムを開始するために2025年2月28日までの申請が推奨されています。
ID発行には一定の時間がかかるため、できるだけ早めに申請を済ませましょう。

まだ新システムの利用申請を行っていない医療機関は、厚生労働省の公式サイトなどをチェックしながら、スムーズな移行を進めましょう。


参考)
厚生労働省|医療法人経営情報データベース(MCDB)における新システムのご利用について
WAM NET|利用申請ページ

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在宅医療カレッジ編集部

在宅医療に関わる方・これから始めたい方を応援する在宅医療の情報プラットフォーム「在宅医療カレッジ」編集部です。 「学ぶ」「働く」「役立つ」をテーマに在宅医療に関するあらゆる最新情報を配信しています。

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