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人手不足を乗り越えた秘訣とは?クリニック院長が語る成功の裏側

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人手不足を乗り越えた秘訣とは?クリニック院長が語る成功の裏側

近年、多くの在宅医療機関が直面している「人手不足」という課題。「人手不足」にお悩みの院長・事務長の皆様も多いのではないでしょうか。

このシリーズでは大胆な発想と独自の取り組みでこの問題を解決し、スタッフの定着率向上や患者満足度の向上を実現したクリニックにその成功の裏にある工夫や取り組みについて伺っていきます。

電話対応に追われ、本来の業務に集中できない――そんな課題を抱える医療機関は少なくありません。本郷ファミリークリニックでは、アウトソーシングサービスをうまく利用することで、電話対応の負担を大幅に軽減することに成功しました。その結果、スタッフの働きやすさが向上し、患者への対応もよりスムーズに。この効率化の背景には、どんな工夫があったのでしょうか?成功の秘訣をインタビューさせていただきました。

ー初めに本郷ファミリークリニック様の体制や特徴等について教えていただけますでしょうか。

吉田先生:
当院は7年前に私の方でほぼ訪問診療の専門のクリニックとして開設しました。現在は常勤医師1名、非常勤医師8名、同行看護師3名、社会福祉士相談員1名と、医療事務スタッフ3名、ドライバー2名の体制で24時間365日見守っています。
他のクリニックさんも多数ある地域での開業でしたので、当院の強みをどこに持たせるかを日々考えていました。在宅の患者さんは通院できないことが前提で訪問診療が始まっているのですが、診療が内科のみで皮膚科や精神科については外来を受診しなければならないケースが何件もあることが分かりました。複数の診療科を持つ訪問診療が求められているため、患者満足度を高めるためにも診療科目を複数持つことで様々な依頼に対応できるクリニックになろうと考えています。

事務スタッフの退職が外部委託検討のきっかけ

ー電話対応を効率化しようと考えたきっかけを教えてください。

以前、電話はすべて院内で取っており、今より1人多い4人体制で対応していました。電話が鳴ったらすぐ事務が取り、話している内容も直に聞こえる状況だったので、院内でとても上手く対応できていました。その中で事務スタッフが一名退職し、本来であればその分人員補充という形になると思うのですが、訪問診療経験のある事務員の採用は時間もかかるため、外部頼んでみようと検討し始め、Okitell365という電話代行のサービスの利用を決めました。

業務に専念できる体制作りのために

ークリニックが電話対応をアウトソーシングすることはまだ一般的ではないと思いますが、外部に依頼しようと思った経緯を教えてください。

吉田先生:
これまで導入しなかった背景としては、院内で電話を取ることで緊急時の対応や相談対応について電話に出ていないスタッフにも雰囲気で伝わり、周りもスピード感をもってすぐに動き始められるというメリットがあったからです。
一方で、営業電話にも対応しなければならない、電話の内容に気を取られてそのとき行っている業務の効率が悪くなってしまう、などのデメリットもありました。
そのため、最初にお話ししたメリットを少し手放してでも外部に委託することで、今やらなければならない業務に専念することができ、よりよい体制が作れるのではないかという点に期待して利用を決めました。


須藤さん:
人員を補充したとしても、その人がずっといるとも限らないですし、いつ休むかも分からないので、常時不安定な状態にさらされているということはよく感じていました。それならば外部に依頼することで固定化し、そこできっちり電話を受けていただける環境を整えた方が上手くいくのではないかと思いました。

Okitell365電話代行サービス利用の決め手とは

ー電話代行サービスを選ぶ中で、最終的にOkitell365に決めた理由を教えてください。

須藤さん:
はい、他社と比べて電話内容の共有方法(※)が当院の体制と合っていたことや、何か問題が起きたときも対応していただけそうだという点から、Okitell365に依頼をすることにしました。また、大手医療法人での導入実績があるという点でも安心感がありました。
初めての試みだったので不安もありましたが、実際に利用をし始めてからは非常に助かっています。こうした外部への依頼においては、サービスの良さは使ってみないと分からないものだなと感じています。

(※)Okitell365の電話代行サービスでは在宅医療専門のコールスタッフが電話対応を行い、お問い合わせ内容の緊急度、重要度をしっかり判断、仕分けを行った上で電話やメール、クリニックの指定ツールなど内容をお知らせしている。

サービス導入後の効果

ー利用してみてどのような点が特によかったと感じられましたでしょうか。

吉田先生:
これまでの経験から、すぐに電話に出てすぐに対応するということが患者さんの満足度につながると感じていたので、外部に依頼したことで患者さんにとって当院が使いにくいクリニックにならないようにしたいということを一番に考えていました。
特に緊急コールでは患者さんは一分が一時間に感じるような状況で電話をしているので、長く待たされたと思わせない体制づくりを院内で意識してきました。その体制をどう維持するかと考えたときに、様々な方法をOKitell365と相談の上、緊急対応のみ転送することにしました。その結果、当院にとって迅速な対応が必要な時だけに集中することができ、守りたい価値は落とすことなく業務の整理ができました。この点は費用対効果が出ていると感じ満足しています。

ー実際にサービスを導入して得られた効果についてお聞かせください。

須藤さん:
確実に感じているのは、ファーストコールを取っていただくことによって事務が、今行っている業務の手を途中で止めることなく進められているということですね。それから、外出が必要な業務があるときやお休みを取るときも、電話についての心配をせずにいつも通りでいられるようになったという点でも効果を感じています。

ー導入後、スタッフの方の電話対応におけるストレス軽減には繋がっていますでしょうか。

須藤さん:
いつ来るかわからない電話対応は、今やっている業務を中断せざるを得ません。電話対応の後、その内容を申し送り、記録しなければならないため業務の中断に困っていたスタッフはいたと思います。電話対応の後、元々行っていた業務に戻るときに、「どこまでやったっけ?」となってしまっていたのが、Okitell365を利用することでそういう無駄な時間が減ったという声をスタッフから聞いています。

ーOkitell365のサービス品質について感じていらっしゃることを教えてください。

吉田先生:
電話内容の共有方法がもともと当院で使用している業務フローと同様だったこともあり大きな変更が必要なかったので、本当にストレスなく移行することができたと思います。

須藤さん:
共有内容を拝見していても、長い電話の場合も要点を絞ってご連絡いただいていることが分かりコール専門サービスのすごさを感じていますし、私たちも勉強になっています。利用開始前は2か月ぐらい試してダメであれば終了しようとも考えていましたが、これだけの対応品質で対応いただいて本当に感謝しています。

ー電話対応業務にお悩みの方に向けて、メッセージがありましたらお願いいたします。

吉田先生:
新しいものを導入するいうことに心配や不安はつきものだと思いますが、Okitell365を実際使ってみると最初の印象とは180度変わるくらいよかったと思っています。やはり初めから「うちのクリニックには必要ないだろう」と考えるのではなく、まずは使ってみてほしいなと思います。

須藤さん:
Okitell365の皆さんから、現状に満足していない、これからも進化し続けようという気持ちが伝わってくるところがとても良いなと思っています。今のサービスの形がそのまま続くわけではなく、これから先も時代に合わせてより良いものにしていこうという姿勢があるところが、未来を感じさせるサービスだなと感じていますので、ぜひ検討してみていただきたいと思います。

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この記事を書いた人

在宅医療カレッジ編集部

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