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医師の地域偏在を是正するための改正医療法が、5日の参議院本会議で可決・成立しました。都市部に医師が集中する一方、地方では慢性的な医師不足が続く現状を受け、国が制度面から医師配置の是正と医療提供体制の見直しに踏み出す形となります。今回の改正は、医師の適正配置に加え、医療のデジタル化や病床の最適化も視野に入れた包括的な内容となっています。
都市部と地方の医療格差に制度で対応
今回の改正では、外来医師が過剰と判断される地域において、無床診療所の新規開設などに一定の制約を設ける仕組みが導入されます。都市部を中心に比較的開業しやすい環境が続いてきたことで、特定地域への医師集中が加速していたことが背景にあります。一方で、医師が不足する地域には重点的な支援策が講じられ、該当地域へ派遣される医師に対しては、経済的支援を行うことで配置を後押しします。これにより、これまで確保が難しかった地域でも、安定的な医師体制の構築が期待されています。
病床の見直しと医療DXの推進も柱に
改正医療法では、医師配置だけでなく、医療資源全体の最適化も重視されています。人口減少や高齢化が進む中、地域によっては病床の過剰が課題となっていることから、都道府県が病床削減を支援できる制度が明記されました。医療需要に応じた病床再編を進めることで、限られた医療資源を効率的に活用する狙いがあります。
あわせて、医療分野のデジタル化も本格的に進められます。電子カルテについては、2030年末までに事実上すべての医療機関での導入を目指す方針が示され、医療情報の共有や業務効率化、医療の質の向上につなげる考えです。
2026年度から本格運用、現場への影響も
改正法に基づく医師偏在対策や医療体制の再編は、2026年度以降に本格的に運用される見込みです。自治体には地域の医療需要を踏まえた計画的な医師配置や病床調整が求められ、医療機関側にも中長期的な経営戦略の見直しが迫られることになります。特に都市部では新規開設や診療体制のあり方に影響が及ぶ可能性があり、地方では医師確保の選択肢が広がることが期待されます。
国は今回の法改正を通じて、地域間の医療格差を縮小し、将来にわたって持続可能な医療提供体制の構築を目指すとしています。








