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紙カルテから電子カルテへ移行するメリットとは?導入の流れや費用も解説

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紙カルテから電子カルテへ移行するメリットとは?導入の流れや費用も解説

近年、紙カルテから電子カルテへの移行を検討しているクリニックが増加傾向にあります。一方で、電子カルテの導入を検討しているものの、メリットがわからず行動できていない方もいるのではないでしょうか。


本記事では、紙カルテから電子カルテへ移行するメリットや費用、移行の流れや注意点を解説します。

電子カルテの導入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

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電子カルテの普及率

厚生労働省の「電子カルテシステム等の普及状況の推移」によると、令和2年の診療所における普及率は49.9%になっています。

一方で、200〜399床の病院の場合は74.8%、400床以上の病院の場合は91.2%の導入率になっています。

厚生労働省が電子カルテの導入を推奨していることもあり、今後も認知は広がり続け、導入を検討する医療機関は増加していくでしょう。

紙カルテから電子カルテへ移行するメリット

紙カルテから電子カルテへ移行すると、以下のメリットが期待できます。

  • リアルタイムに情報共有できる
  • ヒューマンエラーを防止できる    
  • 保管スペースを削減できる
  • 業務効率の向上が期待できる    


患者さんの診療情報を効率的かつ迅速に各スタッフに共有できるため、クリニック全体の業務効率が向上できます。
また、電子データを活用して診療することで人的ミスが減り、医療の質の向上が期待できるでしょう。

リアルタイムに情報共有ができる

紙カルテの場合、患者さん1人つきカルテが1部しか存在しないため、スタッフ間で共有できないデメリットがあります。
たとえば、外来診療を展開しているクリニックの場合、医師が診察のために紙カルテを使用している間は、他のスタッフはカルテを閲覧できません。
また、訪問診療をおこなう際も、紙カルテを使用している場合は訪問先以外でカルテ情報を確認できなくなります。

一方で、電子カルテに移行すると、場所を問わずリアルタイムにカルテを各スタッフが閲覧できます。
そのため、スムーズにスタッフ間で診療情報が共有できるため、患者さんの待ち時間短縮や業務効率化につながるでしょう。

ヒューマンエラーを防止できる

紙カルテの場合、手書きでカルテに記入する必要があるため、書き間違いが起こるリスクがあります。
また「字の読み取りにくさ」が発生し、読み間違いが起こったり、判読に時間がかかったりすることもあるでしょう。

一方で、電子カルテに移行すると診療情報を正確に記録でき、判読のしにくさが解消され、読み間違いが防止しやすくなります。
処方ミスや投薬ミスなども防止しやすくなるため、医療の質の向上に貢献できます。

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保管スペースを削減できる

紙カルテの場合、クリニック内に保管場所が必要になるため、患者さんが増えるたびに院内の収納スペースが減ります。
診療録の保管期間は、診療が完結した日から5年間と義務付けられています。そのため、現在診療をしていない患者さんであっても規定期間まで保管しなければなりません。

一方で、電子カルテに移行するとデータとして診療情報を保存できるため、紙カルテ分の設置スペースが削減できます。
また、クラウド型の電子カルテであれば院内に機器を設置しなくて済むため、より設置スペースの削減が期待できるでしょう。

業務効率の向上が期待できる

電子カルテによって、診断書や紹介状、患者さんの同意書などがスムーズに作成できます。患者さんの診療情報をコピーできるため、書類作成にかかる時間や手間が短縮できるのです。

また、会計ソフトと一体になっている電子カルテの場合は算定業務や請求業務が簡素化できるため、事務作業も大幅に効率化できます。

紙カルテから電子カルテへ移行する際の費用

オンプレミス型の電子カルテへ乗り換える場合、300〜500万円程度の費用がかかるとされています。

一方で、クラウド型の電子カルテへ乗り換える場合は院内にサーバーを設置する必要がないため、オンプレミス型より安価で費用は20万〜150万程度で導入できるでしょう。

また、既存カルテから新しいカルテへの処方箋情報などのデータ移行については別途費用がかかるため確認が必要です。

おおよその金額が知りたい場合は、電子カルテメーカーへ確認してください。

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紙カルテから電子カルテへ移行する際の流れ

紙カルテから電子カルテへ移行する際は、以下の流れで進めていきます。

  1. 紙カルテと電子カルテを併用する
  2. 電子カルテの操作研修をおこなう
  3. シミュレーション後に電子カルテへ移行する


紙カルテと併用しながら、スキャン業務などをおこない、少しずつカルテ情報を電子カルテへ移行していきます。カルテメーカーでそうしたサポートサービスがある場合もありますので、問い合わせてみるとよいでしょう。

電子カルテへ完全に移行する前に、院内で操作研修をおこなったり、実際の流れを想定したりしてシミュレーションを経験しておくことが大切です。

1.紙カルテと電子カルテを併用する

たとえば、再診の患者さんが来られた場合は、紙カルテの情報をもとに電子カルテへ情報を入力していきましょう。
手間はかかるものの、少しずつ進めることで必要な紙カルテの情報を電子カルテへ移行することが可能です。

また、紙カルテのすべてをスキャンし、PDF化して電子カルテへ取り込む方法もあります。1日に移行する枚数を決め、計画的に進めるとよいでしょう。

2.電子カルテの操作研修を行う

電子カルテを導入する前の段階でスタッフへ操作研修をおこない、操作方法やルールをレクチャーする必要があります。
たとえば、患者さんの病歴を確認するために、スタッフ全員がカルテの保存方法・閲覧方法を知っておくことが大切です。

事前に訪問診療クリニックの運用に沿った電子カルテの操作マニュアルを作成し、院内で共有できる環境を作っておきましょう。

3.シュミレーション後に電子カルテへ移行する

電子カルテを稼働させる前に、実際の1日の流れを想定したシミュレーションをおこないましょう。
患者さんの自宅を訪問し、診察・診療を終えた後に会計処理をする一連の流れを経験し、実務に慣れておくことが大切です。

稼働後は、電子カルテメーカーの担当者に連絡をすぐに取れる体制を取っておくことも重要です。

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紙カルテから電子カルテへ移行する際の注意点

紙カルテから電子カルテへ移行する際はセキュリティ対策を万全におこなっておく必要があります。
たとえば、他院から共有された診療情報提供書などの紙媒体・フィルムを電子化する場合、情報を得てから1〜2日以内にスキャン操作しておきましょう。
速やかにスキャン業務をおこなうことで、他者に診療情報を改ざんされるリスクを減らせます。

紙カルテから電子カルテへ移行に関するよくある質問

紙カルテから電子カルテへの移行に関するよくある質問は以下のとおりです。 

  • Q

    電子カルテへ移行後は紙カルテを廃棄してもよいでしょうか?

    A

    紙カルテを電子化して保存した場合は紙カルテを廃棄しても問題ありません。

  • Q

    電子カルテを導入してから本稼働までどのぐらいの期間が必要でしょうか?

    A

    電子カルテを導入後、本稼働するまでは3ヶ月程度の期間を要します。計画的にスケジュールを組み、スムーズに進めていきましょう。

  • Q

    紙カルテを電子化する際はPDFファイルへの変換が必須でしょうか?

    A

    必ずしもPDFでなくてはならない特別な指定はありませんが、PDFに変換することをおすすめします。

電子カルテを稼働させる際は、3ヶ月程度の期間が必要です。計画的にスケジュールを組み、少しずつ準備を進めていきましょう。

まとめ

紙カルテから電子カルテへ移行すると、患者さんの診療情報を効率的に院内スタッフに共有しやすくなるため、スムーズに診療が進みやすくなります。

また、手書き業務がなくなるため、書き間違いなどのヒューマンエラーが未然に防止できるのも特徴です。

電子カルテへ移行する際は、紙カルテと併用しながら、患者さんの診療情報を計画的に移していきましょう。

スムーズな稼働を実現するためには、事前に院内スタッフ向けの電子カルテの操作研修やセキュリティ対策を万全にしておくことが大切です。

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電子カルテ選定には「運営会社」選びが重要です

訪問診療クリニック向けの電子カルテ「homis」の運営会社であるメディカルインフォマティクスは在宅医療機関の経営支援に特化したコンサルティング会社です。

電子カルテを中心に在宅医療にかかわるレセプト代行、事務代行、開業・承継支援、経営コンサルティング、訪問診療専門医師紹介業など総合的なサービスを提供し、在宅医療機関の経営をトータルでサポートできる点が特徴です。

電子カルテの導入だけでは解決できない課題も支援することが可能です。
理想の医療、効率的なクリニック運営を実現するために電子カルテの運営会社選びは非常に重要となります。

「homis」は在宅医療専門医が開発協力した「今一番新しいカルテ」

「homis」は在宅医療専門医協力のもと、AIを搭載した新世代のクラウド型電子カルテとして生まれ変わりました。3つの新機能によってより効率的に、より安全安心にご利用いただけます。

AIが手間のかかる書類作成をサポート
AIがhomis内に蓄積された大量の診療情報を自動的に解析し、主治医意見書などを自動作成します。
これにより、医師の業務負担を大幅に削減します。

オーダリングチェック機能で安全安心
オーダリングの指示入力を行う際、薬の誤投与や病名の漏れなどを防止します。患者さんの治療に関わるオーダーが入力されるたびに、システムが自動的に検証し、ポテンシャルエラーを警告。医療ミスを未然に防ぎ、安全で確実なケアを実現します。

タイムライン機能で「誰が・何をしたか」が一目瞭然
医師だけでなく看護師や相談員など、チーム医療に関わるスタッフが行ったアクションがすべて時系列で可視化されます。患者さんの治療過程を即座に追跡、把握できるようになるため、より迅速で的確なケアを実施できるようになります。

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この記事を書いた人

ゆし

医療ライター。医療機器メーカー(東証プライム市場上場)の営業職に約10年間従事。クリニック開業サポート・医院継承サポート実績あり。日々、多くの医師やコメディカルと関わり合いながら、医療ライターとして多くの医療記事を執筆している。

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