訪問診療クリニックの採用課題を解決する「採用支援」と「人材紹介」の活用法とは?~採用コンサルタントが語る、それぞれの違いと選び方のポイント~
- #運営
- #採用
- #人事

在宅医療の現場では、患者様の増加やニーズの多様化に伴い、医師や看護師などの医療従事者の採用がますます重要になっています。
しかし、「採用業務に手が回らない」「募集をかけても応募がない」「採用ノウハウがない」といった課題を抱えるクリニックも少なくありません。
そこで今回は、在宅医療専門の採用担当者であるコンサルタントに、人材紹介会社と採用代行サービス(RPO)の違いや、
それぞれのメリット・デメリット、そして自院の状況に合わせた最適なサービスの選び方について、詳しくお話を伺いました。
【1】採用代行と人材紹介の違い
まず初めに、採用の外部委託サービスとして代表的な「採用代行(RPO)」と「人材紹介」について、
それぞれのサービス内容、料金体系、導入の流れ、そして採用ノウハウの蓄積という4つの観点から違いを解説いただきました。
①サービス内容の違い
採用代行(RPO)は、企業の採用業務全般を外部に委託するサービスです 。
具体的には、採用戦略の立案から求人票の作成、応募者管理、面接設定、効果測定、競合調査、さらには内定通知やクロージングまで、採用に関わる一連の業務を代行します 。
採用代行は、採用企業側の視点に立ち、まるで自社の採用担当者のように業務にコミットするのが特徴です 。
一方、人材紹介は、求職者を紹介するサービスです 。
主な業務は、求職者との面談や求人の紹介、面接設定など、求職者を中心としたサポートがメインとなります 。
② 料金体系の違い
採用代行の料金体系は、一般的に月額固定費用と成果報酬を組み合わせた形が多いです 。
例えば、月額の固定費に加え、成功報酬は採用経路(紹介会社経由か、求人媒体経由かなど)によって料率が異なる場合があります。
専門性の高い職種では、連携する紹介会社の手数料が上乗せされることもありますが、自社で採用担当者を一人雇用するコストと比較すると、効率的な場合が多いでしょう 。
対して、人材紹介は完全に成果報酬型で、採用が決定した時点で、採用者の年収の20~30%前後が費用として発生します 。
③ 導入の流れについての違い
採用代行サービスを導入する一般的な流れとしては、まずウェブ会議などでヒアリングが行われます 。ここでは、医療職の採用における課題の抽出、採用計画(いつまでに何人採用したいかなど)、競合調査の結果共有を通じて、クリニックの強みと弱みを把握し、認識のすり合わせを行います 。その上で、例えば勤務内容の詳細記載、手当やインセンティブ導入の提案、条件面変更提案といった具体的な求人票の修正案や、選考フロー、応募書類の連絡フロー、求める人物像(要件定義)の修正などを行い、求人内容をブラッシュアップしていきます 。
その後、必要に応じて現地を訪問し、挨拶や現地の紹介会社への説明会を実施することもあります 。そして、各紹介会社へ求人情報を案内し、求人の案内を周知・連携します 。
人材紹介の場合は、クリニックの求人内容とご要望を詳細に伺った上で、エージェントが専門的な視点から最適な候補者を探し出し、迅速にご紹介するという、効率的でシンプルな流れが一般的です。
④ 採用ノウハウの社内蓄積の違い
採用代行サービスを利用する大きなメリットの一つが、採用ノウハウが社内に蓄積される点です 。
どのような採用手法が効果的か、競合クリニックがどのような打ち出し方をしているかといった情報が共有されるため、将来的に自院で採用活動を行う際の貴重な財産となります 。採用担当者が退職した場合でも、確立されたフローを引き継ぐことで、採用活動を円滑に進めることが可能です 。
また、転職市場の動向や効果的な求人票の作成方法が分からない、面接経験がないといったクリニックに対しても、タイミングを見極めた採用活動の提案や面接官トレーニングなどを実施し、採用力の向上をサポートします 。
例えば面接は、求職者に対する魅力づけの場でもあるため、魅力付けの方法やNG質問を避けるといった具体的なアドバイスも提供することができます。
一方、人材紹介は主に人材の紹介に特化しているため、採用ノウハウなどは社内に蓄積されないサービス形態です。
【2】採用代行・人材紹介、それぞれの向いているケース/強み・弱み
次に、採用代行サービスと人材紹介は、それぞれどのような課題を抱えるクリニックに向いているのか、そして各サービスの強みと弱みについて伺いました。
① 採用代行サービスの利用が適しているクリニック
以下のような課題を抱えるクリニックには、採用代行サービスの利用が適していると言えるでしょう。
開業したばかりで、事務長はいるものの採用は片手間で対応している状況で、まさにこれから成長していくフェーズのクリニック 。
応募はあるものの、面接調整や書類選考、事務手続きといった採用業務が負担となり、本来注力すべき診療や運営に集中できず、採用にかかる工数を削減したいと考えているクリニック。
採用活動の進め方を見直し、改善したい、そして採用ノウハウを自院に蓄積していきたいと考えているクリニック 。
規模の大きな法人で、複数の職種を継続的に採用していく必要があるクリニック 。
② 紹介会社の利用が適しているクリニック
一方、以下のような状況のクリニックには、人材紹介会社の利用が向いていると考えられます。
コスト面を重視し、月額の固定費用をかけたくないクリニック 。
採用プロセスにあまり多くの人を介在させたくないと考えているクリニック 。
採用ノウハウの蓄積は特に必要なく、急募のポジションで即戦力となる人材を迅速に確保したいクリニック 。
採用までのスピード感を最優先したいクリニック 。
③ 各サービスのメリット・デメリット
採用代行サービス
メリット:
採用業務にかかる工数を大幅に削減できる 。
採用ノウハウが社内に蓄積され、継続的な採用力の改善が期待できる 。
採用後の早期離職率が低下する可能性がある 。
デメリット:
月額の固定費用が発生する 。
採用成果を完全に保証するものではないというリスクがある 。
人材紹介サービス
メリット:
即戦力となる人材を採用しやすい 。
採用までのスピードが速い 。
デメリット:
採用決定時の成果報酬が高額になる場合がある(年収の20~30%) 。
採用後の定着を確保するためには、クリニックのカルチャーとのマッチングについては、慎重な見極めが必要となる 。
【3】採用代行サービスを利用する際のポイント
採用代行サービスを効果的に活用するためには、どのような点に注意して選ぶべきでしょうか。
採用コンサルタントに、自院のフェーズや目的に合わせた代行会社の選び方について解説いただきました。
採用代行サービスを選ぶ際の重要なポイントは、以下の通りです。
- 自院の診療科における採用実績の有無を確認する 。
- 自院の現在のフェーズ(立ち上げ期か、拡大期かなど)を正しく把握し、そのフェーズにおいて採用代行サービスの利用が本当に適切かどうかを検討する 。
- 採用業務の内製化支援や、採用ノウハウの蓄積をサポートしてくれるか 。
単に実務を代行するだけでなく、採用戦略の設計段階から伴走してくれるかどうかも重要な視点です 。
特にクリニックのフェーズに関しては、以下のように考えると良いでしょう。
- 立ち上げ期(開業1~2年目程度):
採用の基盤を作り、ノウハウを蓄積するために採用代行の活用が推奨されます 。 - 成長期(常勤医だけでは業務が回らなくなり、人手が必要になってきた時期):
患者数の増加率なども一つの目安となります 。
この時期は採用業務の負担が増大するため、その軽減と効率化のために採用代行が有効です 。 - 安定期( 急に採用担当者が不在になった、採用業務がうまく回らなくなったなど):
採用体制の再構築や改善が必要な場合に、採用代行の利用を検討すると良いでしょう 。
まずは、自院の採用課題を明確に洗い出し、どのような業務をどこまで依頼するのかを具体的に決定することが採用代行サービスをうまく活用するための第一歩となります。
【4】mics採用代行サービスの強み
最後に、mics社の採用代行サービスの強みについて伺いました。
mics採用代行サービスの主な強みは以下の通りです。
- 在宅医療に特化:
悠翔会をはじめとする在宅医療クリニックの豊富な採用実績とノウハウを有しています 。
業界特有の課題やニーズを深く理解した上でのサポートをいたします。 - ワンストップ支援:
採用戦略の立案から競合調査、求人作成、そして実際の採用実務まで、一気通貫でサポートします 。 - きめ細やかな対応と伴走力:
クリニック様の状況やご要望に応じて柔軟に対応範囲を調整し、採用成功までしっかりと伴走いたします。 - 豊富な紹介会社ネットワーク:
多くの紹介会社と提携しているため、一気に連携を図ることができ、スピード感を持った採用活動が期待できます 。
ちなみに、mics社で一人採用するのにかかる期間の目安としては、医師(常勤)で2~3ヶ月、医師(非常勤)で1ヶ月以内、看護師で1~2ヶ月程度(実際の入職時期は春になるケースもあり)とのことです 。
【まとめ】在宅医療の医師・看護師の採用支援ならmics採用支援
採用はクリニックの成長を左右する重要な経営課題です。
自院の採用課題について、専門家に相談してみませんか?
micsでは、無料求人添削、無料採用市場調査も受け付けておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。