クリニック事務業務効率化のポイントとは?事例やその解決法を解説
- #運営
この記事はこんな方におすすめ
- 在支診や訪問看護ステーションの運営にかかわる院長や、管理者、事務長のみなさま
- 診療・ケアに集中できる環境を作りたい
- スタッフのモチベーションアップを図りたい
この記事を読むとこうなります
- 業務効率化のために何から取り組めばいいかがわかる
「事務作業が多く診療に集中できない…」
「書類作成などの事務業務でスタッフの残業がなくならない…」
このようなお悩みを持つ在宅医療機関のみなさま、多いのではないでしょうか。
質の高い診療サービスを提供するためにも、限られた資源で最大限の利益を確保するためにも、業務の効率化は欠かすことのできない課題です。しかし、具体的に何から手をつけたらよいかわからず、結局現状のままになってしまうというケースも少なくありません。
今回は、在宅医療機関における業務効率化について、具体的な進め方やよくある課題についての解決方法をご紹介していきます。
業務効率化とは
業務効率化とは、業務の「ムリ・ムダ・ムラ」をなくし、効率をあげることを意味します。
「ムリ」とは、担当者に能力以上の負荷がかかっている状態を指します。例えば経験の浅いスタッフにベテランスタッフと同じ業務内容が求められている状態などです。
「ムダ」とは、時間や人を必要以上に投下している状態を指します。例えば必要以上のミーティングを行っている、紙とPCへの二重入力を行っているなどです。
「ムラ」とは、時期や担当者によって成果にばらつきがある状態を指します。例えば担当者によって記録の質にばらつきがあるなどです。
このような「ムリ・ムダ・ムラ」をなくしていくことが業務効率化の鍵となります。
業務効率化のメリット
業務効率化は単なる作業時間の削減だけでなく、多くのメリットを生み出します。
コスト削減
直接的なメリットとしては残業時間が減ることによる人件費削減が挙げられます。またペーパーレス化などにより物的コスト削減も可能となる場合もあります。
売上の向上
既存業務の時間短縮により1日の訪問件数増加が見込めたり、新規患者獲得のための営業活動に時間を費やすことができたりと、売り上げの向上につながります。
スタッフのモチベーションアップ
「ムリ・ムダ・ムラ」がなくなることにより、スタッフにかかる負担が軽減され、以前より働きやすい環境になります。残業時間の削減などによってスタッフのモチベーションや満足度が上がり、定着率向上にもつながっていきます。場合によっては直行直帰が可能になったりと柔軟な働き方もできるようになり、離職率を抑えることもできるかもしれません。
診療の質の向上
業務の効率化によって、診療に集中できる環境となり、診療サービスの質向上にもつながります。業務時間の削減によって、研修など学習時間も確保できるようになりスタッフ一人一人のレベルアップも見込めます。
このように業務効率化はスタッフ側においても経営的な面においても多くのメリットがあり、在宅医療機関の成長につながります。
業務効率化の進め方
ここからは具体的な業務効率化の手順をご紹介します。
日頃気になっている業務をイメージしながら読み進めてみてください。
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- 業務を見える化し、どの点に問題点(ムリ・ムダ・ムラ)があるかを洗い出す
まずは現状把握を行います。業務内容や手順を見える化し、発生している「ムリ・ムダ・ムラ」を洗い出します。
- 業務を見える化し、どの点に問題点(ムリ・ムダ・ムラ)があるかを洗い出す
- どのような方法で効率化を進めるかを検討する
どのように効率化するか、方法はさまざまです。
代表的な例として以下のような方法があります。
【廃止】
目的が不明確であったり、作業量のわりに成果の少ない業務は廃止できるかもしれません。思い切りは必要ですが、簡単で効果の高い方法です。
【集約化】
類似業務があれば1つに集約できないかを考えてみましょう。複数の人や場所で行われている類似業務はないでしょうか。
【標準化】
担当者によって方法が異なり、成果の質にばらつきのある業務はないでしょうか。マニュアルを作るなどして業務を標準化させることで、担当者が異なっても所要時間や質をある程度均一にできるケースもあります。
【自動化】
時間をかけて手作業で行っている業務はないでしょうか。単純な手順のものほど自動化するのに適しています。新しいITツールを導入するのも手ですが、Excelを活用して今日から始められるものもあるかもしれません。自動化することによって手作業によるミスも防ぐことができます。
【外注】
作業そのものを外部のサービスに委託する方法です。当然コストはかかってしまいますが、組織内で業務を継続することによる人員の確保や教育コストを考えると、外注した方がコストを抑えられる場合もあります。 - 実行する
2で検討した方法を実際に実行してみます。上手くいかなかったり、想定外のトラブルが発生した場合は原因も把握します。 - 検証する
改善策は効果があったのか、問題点はないかを振り返り、よりよい改善のサイクルを回していきます。
方法を変えるだけでなく、その後の検証や改善を繰り返していくのがポイントになります。
在宅医療機関の業務効率化に関するよくある質問
在宅医療機関の業務効率化に関するよくある質問について以下にまとめました。
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Q
業務効率化のステップは?
A業務効率化は次の4つのステップで進めます。①業務を見える化し、どの点に問題点(ムリ・ムダ・ムラ)があるかを洗い出す②どのような方法で効率化を進めるかを検討する(廃止・集約化・標準化・自動化・外注)③実行する④検証する
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Q
業務を効率化するメリットは?
A業務効率化のメリットは、次のようなメリットがあります。①作業時間の削減②コスト削減③売上の向上④スタッフのモチベーションアップ⑤診療の質の向上
事務業務におけるよくある問題点とその解決方法
ここからは在宅医療機関での事務業務に焦点をあてて、業務効率に関する問題点とその解決方法をご紹介していきます。
業務が中断してしまう
- 業務が中断してしまう原因として多いのが電話対応です。在宅医療機関へは患者さんからの電話をはじめ、多職種連携に関わる様々な関係者からの電話が入り、電話の数自体を減らすことは難しいかもしれません。近年では在宅医療機関向けの電話代行ーサービスを利用しているクリニックや訪問看護ステーションも増えています。代行会社によってサービス内容は異なりますが、受電だけでなく内容の仕分けまで行い、受電内容に適した方法(電話やメールなど)で報告してくれるサービスもあります。このようなサービスを利用することで業務中断がなくなるだけでなく、業務に優先順位をつけて取り掛かれるというメリットがあります。
Okitell365の在宅医療専門コールセンターでは、受電業務から受付内容の仕分けまでを看護師をはじめとして在宅医療に精通したオペレーターが丁寧に対応します。 - 在宅医療専門コールセンター Okitell365 を詳しく見てみる
事務作業に時間がかかる
- 毎月の計画書や報告書などの発送作業は膨大な時間と手間がかかります。このように毎月必ず発生する作業も外部委託を検討してみてはいかがでしょうか。当然コストはかかりますが現在発生している人件費や採用教育コストよりも抑えられるかもしれません。
Okitell365の書類発送代行サービスでは、必要書類の印刷から封入・封緘・発送までの一括代行に加え、患者様・関係機関等から受け取る患者情報等を電子カルテへ取り込む業務代行サービスまで可能です。書類発送による業務負担や残業にお悩みの事業所の方はぜひご検討ください。 - >詳しいサービス内容はこちら
いかがでしたでしょうか?
「ムリ・ムダ・ムラ」をなくす業務効率化は、コスト削減だけでなく在宅医療機関の大きな成長にもつながっていきます。
まずは業務内容や手順を見える化し「ムリ・ムダ・ムラ」を洗い出した上で、着手できるところから改善を始めてみましょう。