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訪問診療におけるスケジュール管理のポイント|クロスログ株式会社

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訪問診療におけるスケジュール管理のポイント|クロスログ株式会社

訪問診療におけるスケジュール管理は、スタッフの業務負担や全体の売上に大きく影響するタスクの一つです。そんなスケジュール管理の課題に対しては、専用のシステムを導入することが大きな助けになることもあります。

今回は、訪問診療のスケジュール管理をサポートするサービス”CrossLog”を提供するクロスログ株式会社の宮原智新 社長と研谷朋加 様に、訪問診療のスケジュール管理の課題やポイントについてお話を伺いました。

クロスログ株式会社

「在宅医療を当たり前にする」をミッションとして、訪問診療専用スケジュール管理システムCrossLog(クロスログ) 、経営分析・紹介元管理サービスCrossLog Report(クロスログレポート)の企画・開発・運営などを行う。

クロスログ株式会社 代表取締役CEO 宮原 智新

金融システム会社のマネージャーを経て、ITベンチャーに取締役として参画。同ベンチャーでCrossLogを事業責任者兼開発者として立ち上げる。
2020年にクロスログ株式会社を独立創業し、一貫して在宅医療業界においてサービスを提供。ユーザーヒアリングに基づき、100回以上の機能改善を自ら開発することでサービスを成長させ、業務領域を広げ続けている。

クロスログ株式会社 営業・マーケティング 研谷 朋加

大学卒業後、証券会社で法人営業を経験し、Web広告プラットフォームへ転身。
広告代理店向け営業からカスタマーサクセス、広告運用業務まで幅広く担当。
2023年3月にクロスログ株式会社に一人目のセールスとして入社。現在はマーケティング担当として医療機関に向けてセミナー等での業務DXの推進やCrossLogの提案を行う。

訪問診療のスケジュール管理やルート作成の課題とポイントとは

ー訪問診療におけるスケジュール管理やルート作成でよく見られる課題について教えて下さい。

宮原社長
患者数が100名未満の小規模なクリニックだと、院長先生の業務負担が大きくなってしまうのが一番の課題だと思っています。院長先生が自ら運転して訪問診療に行ったり、スケジュール管理をしたりする状況になるうえで、他の業務も院長先生に集中してしまう。スタッフさんが限られてリソースが足りない関係で、どうしても業務負担が大きくなりがちです。

300名以上の大規模なクリニックや病院になると、患者さんが多くなるので効率的なルート作成ができるかどうかで、売上が大きく左右されると思います。1日10件行ける時間の枠があっても、ちょっと非効率なルートを走るとそれが8件になってしまう。それを1か月で計算すると売上にも大きなマイナスになってしまうのが、大規模ならではの課題になってきます。

小規模と大規模のクリニックで共通する話だと、スケジュール管理やルート作成が属人化しがちになるという課題があります。土地感のあるスタッフさんやベテランスタッフさんなどの決まった人がルート作成に携わっていて、そのスタッフさんが休んでしまったり辞めてしまうと代わりの人がいないとか。

ほかにも、Excelやホワイトボードとカルテとの二重管理による作業負担や、アナログ管理によって院内と院外のスタッフ間の情報共有がうまくできず、スケジュールの抜け漏れが発生したりといった課題もあるかと思います。

ー実際にスケジュール管理に苦労されている先生やスタッフさんは多いかと思います。訪問診療におけるスケジュール管理やルート作成のポイントがあれば教えて下さい。

研谷様
小規模のクリニックだと、患者さんやスタッフさんが増えたときにスケジュール管理やルート作成のやり方を全て変えるのはハードルが高くなるので、開業時から管理システムを導入することは一番のポイントかなと思います。

あとは複雑なスケジュールやルートにならないように、開業時から運用するうえでの共通認識を仕組み化していくことも必要だと感じます。例えば患者さんの時間の指定や要求をすべて叶えようとすると、作成がかなり複雑になってくるので。

大規模なクリニックになると患者さんやスタッフさんが多いので、担当するスタッフさんが属人化しないような仕組み化がより必要になってきます。専用ドライバーさんや看護師さん、診療アシスタントさんなどでタスクシェアするのも良いかと思います。

訪問診療のスケジュール管理に悩む現場の声からCrossLogを開発

ーCrossLogは、訪問診療におけるスケジュール管理やルート作成の業務効率の向上につながるサービスだと伺っております。CrossLogの機能や特徴について教えていただけますか。

研谷様
弊社でメインのプロダクトとして提供しているCrossLogは、訪問診療専用のスケジュール管理ソフトです。訪問診療のスケジュール管理やルート管理は、まだまだアナログ管理でやっているところが多く、それに対して私たちが医療DX(※)による支援をさせていただいています。

CrossLogは、日々の移動ルートや患者さんごとの情報などが一目でわかり、シンプルな操作感で誰でもスケジュール管理することができます。Googleマップとの連携や患者さんのNGスケジュールの事前登録により、ルート作成を効率的に行うことができるようになっております。

また、電子カルテや多職種連携ツール、チャットツールなどとも連携しているので、Excelや無料カレンダーアプリなどのツールと違って情報連携ができるのが大きなメリットです。

その他には、お客さんの声を聞いたうえで月に1、2回ほどのアップデートを積極的にしていて、現場の皆さんが欲しいものを機能に多く反映させているところが大きな特徴かと思っています。

(※)医療DX:デジタル技術を利用して医療の質向上や業務の効率化を図る取り組み

ーそもそもどうしてこのようなサービスを開発されたのでしょうか?開発に至った思いなどがあれば教えてください。

宮原社長
私自身がエンジニア出身なのですが、前職で訪問調剤薬局さんの報告書管理システムを開発していて、そこが在宅医療に足を踏み入れるきっかけでした。

訪問診療や訪問歯科の先生と知り合う流れが増えたなか、2019年頃に「スケジュール管理で良いシステムがないか」という相談が立て続けにあって、多くのクリニックさんが訪問診療のスケジュール管理に悩んでいる印象を受けました。
そういったシステムを立ち上げることで、全国の課題解決につながるのではと感じたことが始まりです。

そこから協力的な先生に毎週ヒアリングさせてもらい、機能アップデートを繰り返して開発を進め、半年の時間をかけて正式にリリース。リリースした後もお客さんにより価値を感じていただくために、実際のお話を聞きに行ってアップデートを繰り返していました。

ー主に現場の声を中心に作られたサービスなのですね。今後もアップデートの面で取り組んでいきたいことなどはございますか?

宮原社長
今までスケジュール管理のシステムを中心に開発してきたなかで、その他の新しい価値をどんどん増やしていく必要があると思っています。実際、在庫管理や経営に必要なデータ分析など、クリニックのなかに医療に直結しづらい非効率な業務が眠っていたりするんですよね。

今後クリニックが生き残るには経営マネジメントの視点も重要になってくるので、2024年10月に経営分析や営業管理機能を搭載したCrossLog Report(クロスログレポート)をリリースしました。

このように問題を一つずつクリアにしていって、CrossLogさえあれば訪問診療クリニックのシステムを全部まかなえる状態を作っていきたいと思っています。

CrossLogの導入により業務効率化した事例

ーCrossLogを導入することでどのような変化がみられたのか、実際の導入事例を教えてください。

研谷様
Excelやホワイトボードなどのアナログ管理からCrossLogに移行されるクリニックさんが多いので「作業時間が大きく減った」「二重管理が減って楽になった」という声が一番多いですね。

そこから上手く活用して効率良いルートを作ることで移動時間の削減や訪問件数の増加、売上向上につながったりする効果も生まれています。



あとはスケジュール管理やルート作成が属人化になっていたのが、複数人で担当できるようになったことで、一部のスタッフさんが在宅勤務できるようになったという声も挙がっています。

CrossLogはカルテや多職種連携ツール、チャットツールなども機能しているので、院内全体のDX化が進んでいるというお声をいただくことも多いです。

【実際いただいたお客様のお声】
  • 患者情報が整理しやすく、災害時の対応にも役立っています(りんごの木クリニック様 北海道)
  • スケジュール管理のヒューマンエラーがなくなり、業務の生産性向上につながっています(おうちの診療所目黒様 東京都)
  • スマートフォンでスケジュールが管理できるようになり、業務効率が上がりました(豊田地域医療センター様 愛知県)
  • 今までのアナログ・属人的な管理から一変し、スタッフのリモートワークまで可能になりました(医療法人土井医院様 京都府)
  • 訪問スケジュールの一元管理ができるようになり、スタッフの残業時間が減りました(ソラーレクリニック太子様 兵庫県)
  • こちらの要望に対するシステムの改善対応が早く、とても便利に活用できています(医療法人すずらん会 たろうクリニック様 福岡県)

クロスログが目指す在宅医療のこれから

ーありがとうございます。最後に訪問診療のスケジュール管理にお悩み方々に向けてメッセージをいただいてもよろしいでしょうか。

宮原社長
今後は在宅医療の患者さんが増えていく反面、従事する人が減っていく世の中になると予想されるので、より少ない人数で多くの患者さんを見ていく必要があるのではと思っています。

そのためにも、医療DXや業務改革は今後さらに必要になると思うので、電子カルテとCrossLogさえあれば、少ない人数で多くの患者さんを見れる環境を作っていきたいと考えています。

訪問診療のスケジュール管理にお困りなことがあれば私たちにご相談ください。現場のお悩みを解決できる機能も多いので、一度お話ししてぜひ興味を持っていただけたらありがたいです。
今後も現場の声を積極的に取り入れて進化させていくつもりですので、皆さんと一緒に成長させていただければと思っています。

この記事を書いた人

一坊寺 唯

医療ライター・コンテンツディレクター/Cuddle Writing(カドルライティング)代表。大学卒業後、ヘルスケア関連企業にて企画職に従事。2019年にフリーランスWebライターとして独立し、医療・健康ジャンルを中心に多数メディアの記事制作を手がける。「信頼できる医療・健康情報を通じて、ヘルスリテラシーを向上させる」というミッションのもと、医療系記事制作チームCuddle Writingを運営。

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