今、注目の在宅看護アセスメントツール「オマハシステム」が3分でわかる!
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今、注目の在宅看護アセスメントツール「オマハシステム」をわかりやすく解説!
この記事はこんな方におすすめ
- 在宅看護の最新トピックを知りたい
- 在宅看護のアセスメント技術を向上させたい
- 「オマハシステム」名前は聞いたことがあるけれど、なんだかよくわからない
この記事を読むとこうなります
- 在宅看護分野のトレンドがわかる
- 在宅看護アセスメント技術向上のヒントがわかる
「利用者さんの生活全体を看ることが大事だけど、自分が何か見落としていないか不安…」
「自分のケアが本当に利用者さんのためになっているのかな…」
在宅看護領域で活躍されている看護師のみなさん、このようなお悩みはありませんか? 在宅看護アセスメントツール「オマハシステム」を活用すれば、このようなお悩みが解決できるかもしれません。 「システム」という名前からも難しく捉えられがちなのですが、中身はとってもシンプル。 「オマハシステム」を活用することで在宅看護に必要な「対象の生活全体を看る」視点が得られ、ケアの成果もわかりやすく評価でき、看護の質の向上につながります。
こちらの記事でははじめての方にもわかりやすく「オマハシステム」について解説していきます。
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オマハシステムとは
在宅看護のためのアセスメントツールです。
病院でよく使われている「NANDA NIC-NOC」の在宅バージョンというとわかりやすいかもしれません。
アメリカのネブラスカ州オマハという都市の訪問看護師協会が中心となって開発したツールのため「オマハシステム」という名前がついています。(※)
今では世界中の在宅ケアの現場で使われており、ここ日本でも注目が集まっています。
(※)一般社団法人オマハシステムジャパン ホームページ. 「オマハシステムの概要」
事例を通して知る
事例を通してオマハシステムを活用したアセスメントの流れを見ていきましょう。
以前は小学校の先生をしていて、明るくはっきりとした性格。
退職後はご友人とカラオケにでかけたりと楽しく過ごしていました。
10年前にご主人を亡くされてからは、息子さんとの二人暮らしです。
半年前から転倒を繰り返すようになり、進行性核上性麻痺と診断されました。
徐々に通院も困難となり、地域包括支援センターを紹介され、訪問診療と訪問看護が開始となりました。
訪問開始時には仙骨部に褥瘡が見られました。
認知症も進行しており、つじつまが合わない言動も見られますが短い会話は可能です。
息子さんは「本人は家で過ごしたいと言っていて、できる限りのことはしたいけれど介護のことは全くわからなくて不安です」と話してくれました。
それではこの事例をオマハシステムを活用してアセスメントしていきましょう。
まずは看護問題を考えます。
オマハシステムには約40の看護問題があらかじめ用意されてます。
看護問題は大きく4つのジャンルに分けられます。
- 環境に関する問題(#住居、#収入など)
- 生理的な問題(#呼吸、#循環、#皮膚など)
- 心理社会に関する問題(#介護、#メンタルヘルスなど)
- 健康関連行動に関する問題(#栄養、#清潔整容、#処方された薬剤の管理など)
①から④のジャンルをみてもわかるように、対象を様々な角度から捉える視点がそろっています。
Aさんの事例の場合、「褥瘡」に着目してみても、「自宅の環境が整っていない」「息子さんが介護に慣れていない」「食事が取れていない」など様々な要因が関係していますよね。ですので、看護問題を立案する場合は「#皮膚」だけではなくて、「#介護」「#栄養」も立案されそうです。オマハシステムを使うと、本人の身体的な問題だけではなくて、様々な角度から生活全体を捉えることができるのです。
今回はわかりやすく解説するために「#皮膚」を立案してみることにします。
問題を特定したら、次に今の状態をアセスメントします。
オマハシステムでは「知識」「行動」「状態」の3つの側面から、数値で今の状態をアセスメントしていきます。
数値は以下のような基準でつけていきます。
まずは「知識」について。 息子さんが介護について全く知識がない状態のため、「1」をつけます。 つぎに「行動」について。 十分な体位変換や清潔ケアなどの褥瘡を悪化させない行動が取れていないため、「1」をつけます。 最後に「状態」について。 ステージ2の褥瘡であるため「2」をつけます。
このように、オマハシステムを使うと目に見える状態だけではなくて、その背景にある本人やご家族の「知識」や「行動」もアセスメントすることができます。
アセスメントが終わったら、看護ケアを考えていきます。 一つの看護問題ごとに何十もの看護ケアがあらかじめ用意されているので、その中から適したケアを選択していきます。 その看護ケアも大きく4つのジャンルに分けられます。
- 観察
- 直接ケア
- 教育/相談/指導
- ケアマネジメント(生活環境を整えるための多職種連携や調整)
④のケアマネジメントに関する看護ケアが用意されているのもオマハシステムも大きな特徴です。在宅看護に重要な多職種連携や環境調整も看護ケアとして計画や記録に残すことができるのです。
事例から考えられる看護ケアは以下のようなケアを選択していくことになります。 (実際は「#皮膚」の看護問題に付属している看護ケアの中から選択していきます)
- 観察
→ 皮膚状態の観察など - 直接ケア
→ 褥瘡の処置、清潔ケアなど - 教育/相談/指導
→ 息子さんへの介護の指導など - ケアマネジメント
→ 医師への相談、福祉用具の調整など
これで看護計画の完成です。 在宅看護に必要な視点がそろっている上、選択式で選んでいくので、在宅看護の経験の浅い看護師の方でもわかりやすく看護計画立案やアセスメントができます。
看護計画が完成し、実際にケアを行ったら「知識」「行動」「状態」がどう変化したか、再度数値で評価していきます。
数値で表されることによって、変化がわかりやすくなり、スタッフ間での情報共有もスムーズになります。また、ケアが効果的だったか客観的かつ具体的に振り返ることもできるようになります。
オマハシステムを使うメリット
オマハシステムのメリットをまとめると以下のようになります。
- 在宅看護に必要な「生活全体を看る」視点がそろっている
- 対象の変化がわかりやすく捉えられる
- ケアの成果をわかりやすく評価できる
- スタッフの視点がそろい、ケアについてより深く話し合える
- 結果、看護の質の向上につながる
いかがでしたでしょうか? 事例を通して見てみると、想像していたよりシンプルでわかりやすい印象を持たれた方も多いのではないでしょうか。
看護問題や看護ケアのリストは『日本語版オマハシステム®ユーザーズガイドブック』に掲載されており、一般社団法人オマハシステムジャパンのホームページから購入することができます。 実際に訪問している利用者様をオマハシステムを使ってアセスメントしてみると理解が深まるかもしれません。
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