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厚生労働省は、8月26日開かれた自民党の部会にて来年度・令和8年度予算案の概算要求・税制改正要望を提示しました。26年度予算の一般会計は高齢化の進展に伴う社会保障費の増加などから過去最大となる34兆7900億円余りを計上しました。
税制改正要望では、医師不足地域での診療所開業・承継に対する税制優遇措置を打ち出しました。人口に見合った医師数を確保できない地域で、地域医療を維持することが狙いです。
地方開業・承継に対する税制優遇とは
対象となるのは、都道府県が指定する「重点医師偏在対策支援区域」です。この区域で診療所を開設、または事業承継する場合に以下の税負担を軽減するよう求めています。
- 登録免許税
- 不動産取得税
- 一定期間の固定資産税
- 都市計画税
さらに、予算案概算要求には地方開業時の費用支援(20億円規模)も盛り込まれており、経済的インセンティブを組み合わせて地域医療の担い手を増やす方針です。
令和8年度予算案概算要求のポイント
今回の2026年度予算概算要求(一般会計総額34兆7929億円、過去最大)では、以下の施策が盛り込まれています。
- 医療・介護・障害福祉分野の賃上げ支援
人件費高騰に対応するための施策を「事項要求」として提示。診療報酬改定と連動して年末の予算編成過程で検討予定。 - 医薬品の安定供給システムの導入(1.9億円)
製薬企業の出荷状況を把握できる新システムを構築し、薬剤不足への対応を強化。 - 重点医師偏在対策支援区域での開業支援(20億円)
開業の際の施設や医療機器にかかる費用を補助。
まとめ
地方での診療所開業・承継を後押しする税制優遇と補助金は、医師不足地域での医療を担う診療所の新規参入や世代交代を促す重要な施策です。
一方で、医療・介護分野の賃上げ支援や医薬品供給の安定化策など、在宅医療機関の経営に直結する項目も盛り込まれました。
来年度の診療報酬改定と合わせて具体化していく流れを注視していく必要があります。