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訪問診療クリニック開業にむけて準備すべき備品リストとは?

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訪問診療クリニック開業にむけて準備すべき備品リストとは?

訪問診療クリニックを開業する際には、備品リストが必要です。しかし、これから開業を検討している方の中には、何をどのように準備したらよいか検討がつかない方もいるでしょう。

本記事では、訪問診療クリニックの開業の流れを説明し、開業のために必要な備品リストの作り方を解説します。
スムーズな開業ができるよう、事前にやるべきことを整理し、万全の準備をしておきましょう。

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訪問診療クリニック開業の流れ

訪問診療クリニックが開業する場合は、以下の流れに沿ってさまざまな準備を進める必要があります。

  1. 事業計画を立てる
  2. 資金調達
  3. 診療圏を調査し、物件を選定
  4. 医療機器、電子カルテなどの選定
  5. 保健所と厚生局への調整
  6. 地域の医師会へ相談
  7. 物件の施工、内装
  8. 従業員の採用、税理士や社会保険労務士の選定
  9. 看板、ホームページなどの作成
  10. 備品をそろえる
  11. 開業


クリニックの事業計画によって必要な資金や医療機器、備品などは異なります。どのような訪問診療クリニックを目指すのかを明確にした上で、開業に向けて計画的に準備を進めて行きましょう。


事業計画を立てる

事業計画を立てる際に必要なのは、開業コンセプトを決めることです。訪問診療のみをおこなうスタイルか、それとも訪問診療に加えて外来診療をおこなう診療方針にするかを決めましょう。

資金調達

事業計画を立てる際に必要になるのが資金調達です。訪問診療クリニックの場合、物件や医療機器、備品や内装工事などで約1700万円の資金が必要になります。
約1700万円の開業資金をどのように調達するかを決めなければなりません。資金調達する際は、以下の手段のいずれかを選びましょう。

  • 日本政策金融公庫
  • 福祉医療機構・リース企業
  • 医師会・地方自治体
  • 民間の金融機関

診療圏を調査し、物件を選定

診療圏を調査し、ターゲットとなる患者数がどのぐらいいるかを確認する必要があります。調査する際は、以下の流れでおこないましょう。

  • 診療圏を設定する
  • 競合となる訪問診療クリニックを調査する
  • 診療圏の人口を把握する
  • 患者数を算出する
  • 診療圏の発展性を調査する


競合クリニックや見込み患者数などを算出した上で、物件を選定することが大切です。

医療機器・電子カルテなどの選定

訪問診療スタイルに合わせた医療機器、電子カルテを選定しましょう。ものによっては納期が数ヶ月かかる場合があるため、事前にメーカーに確認の上、余裕をもって発注しておくことが大切です。

保健所と厚生局への調整

開業前は、保健所に対して開業許可申請を提出する必要があります。また、開業後は10日以内に開設届を提出しなければなりません。
厚生局に対しては、保険医療機関指定申請をおこなう必要があります。厚生局に提出期限を確認し、期限内に対応しておきましょう。

地域の医師会へ相談

地域の医師会に入会する場合、約300万円の費用がかかり、別途年会費も発生しますが、以下のメリットが得られます。

  • 医療賠償責任保険制度が利用できる
  • 医師年金制度が利用できる
  • クリニックの宣伝ができる
  • 医療関連情報が入手できる


メリットを多く感じる場合は、医師会への入会を検討してみてください。

物件の施工・内装

物件の施工・内装を始める際は、可能な限り現場に足を運び、作業の進行状況を確認しておきましょう。
もし、変更したい点が出てきた場合、現場にいればそのまま業者に要望を伝えることができ、対応してもらいやすくなります。

従業員の採用・税理士や社会保険労務士の選定

オープニングスタッフの募集をかけ、従業員の採用活動を進めましょう。もし、予想よりも応募人数が少なく、なかなか採用が進まない場合は、人材会社を活用し、紹介してもらうことも可能です。
また、社会保険の手続きや、スタッフとのトラブルが起きた際の仲裁などを対応してくれる税理士や社会保険労務士を雇っておくことも必要になります。

看板・ホームページなどの作成

集患のために看板を立てたり、ホームページを作成しておくことが大切です。特に看板は、インターネットに馴染みのない高齢層の集患に効果を発揮する場合があるため、積極的に活用しましょう。

備品をそろえる

訪問診療に必要な備品を準備しておきましょう。外来診療をやらない場合は、訪問診療時の車内で必要なものをピックアップしておくことが大切です。
一方で、外来診療をやる場合は、待合室に必要な椅子やデスク、その他設備を準備しておきましょう。

開業

すべての準備が済んだら、開業しましょう。開業後の数ヶ月間は業務フローに慣れていないため、慌ただしい日々を送ることになります。
スタッフとうまく連携し、患者さんへ貢献していきましょう。

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備品リストを作る理由とタイミング

備品リストは訪問診療クリニックが開業するために必須であり、明確な理由があります。また、作るべきタイミングがあります。

それぞれ詳しく解説していきます。

備品リストを作る理由

備品リストを作っておくことで、診療に必要な物品の不足を防止できます。クリニックを開業する際の準備は、開業スケジュールが迫っていくにつれ、慌ただしくなります。もし、備品リストを作っておかないと、必要な備品を買わずに開業を迎えてしまう可能性もあるでしょう。

必要なものを確実に準備しておくためにも、備品リストは必要です。また、院長や事務長が備品リストを作っておくことで、手の空いているスタッフに任せやすくなります。
訪問診療クリニックを開業する際は、必ず備品リストを作っておきましょう。

備品リストを作るタイミング

訪問診療クリニックを開業する際は、開業が迫るにつれ、備品を手配する時間がなくなります。
そのため、余裕をもって、開業する6ヶ月前から備品リストを作っておきましょう。ソファや電化製品、医療機器などの大型の備品の場合は資金調達にも関わるため、物件が確定したタイミングで作っておきましょう。
椅子やデスクなどの小型の備品の場合は、内装が完成した時点で考えるとよいです。

クリニック開業に必要な備品とは?

訪問診療クリニックを開業する際には、医療機器・器具や電子カルテ以外にもこまごまとした備品が必要になります。
開業前に必要な物品をリストアップし、準備万端で幸先の良い開業をスタートさせましょう。

一般的にクリニックで必要な備品リスト

一般的な訪問診療クリニックが開業時に必要になるおもな物品は以下の通りです。
「大型」「小型」「消耗品」のようにカテゴリごとに必要な物品をリストアップしておきましょう。

分類 備品
大型の物品 診療室の机・椅子・ベッド・パーテーション・棚・コピー機・ソファ・テレビ・マガジンラック・靴箱・冷蔵庫・ロッカー・脚立・各種医療機器など
小型の物品 時計・椅子・空気清浄機・スリッパ・体温計・消毒液・傘立て・玄関マット・ゴミ箱・つり銭ボックス・診察券入れ・電子レンジ・食器類・掃除機・モップ・ほうき・ユニフォーム・名札・タイムレコーダー・台車など
消耗品 ガーゼ・包帯・マスク・手袋・紙・問診票用のボード・ボールペンなど

自院に合わせたリストを作るには

自院に合わせたリストを作成するためには、標榜する診療科を加味した上で作成する必要があります。
もし知り合いに開業する予定の診療科と同じ科を標榜している先生がいたら、1度話を聞いてみることをおすすめします。


また、クリニックの内装工事が終わり、入室できるようになったら、中を歩きながら必要なものを想定してみるのも効果的です。
このときに大切なのは、患者さん視点、スタッフ視点のそれぞれの立場に立って想像することです。

院内のスペースを確認しながら、必要なものを想像し、院内独自のリストを作成していきましょう。

クリニック開業準備に関するよくある質問

クリニック開業に必要な備品に関するよくある質問を以下にまとめました。

    • Q

      訪問診療開業に必要な備品は何ですか?

      A

      一般的な訪問診療クリニックが開業時に必要になるおもな物品は、大型なもの(診療室の机・椅子・ベッド・パーテーションなど)、小型なもの(時計・椅子・空気清浄機・スリッパ・体温計・消毒液など)消耗品(ガーゼ・包帯・マスク・手袋・紙など)があります。

    • Q

      訪問診療の開業費用はいくらですか?

      A

      訪問診療クリニックの場合、物件や医療機器、備品や内装工事などで約1700万円の資金が必要になります。資金調達する際は、日本政策金融公庫、福祉医療機構・リース企業、医師会・地方自治体、民間の金融機関などの手段があります。

まとめ

訪問診療クリニックを開業する際は、事業計画の立案や資金調達、内装工事の施工やホームページ作成など、さまざまな準備が必要です。

特に開業が近づくにつれ、やるべきことは多くなり、時間的な余裕がなくなります。そのため、余裕を持って開業に必要な備品リストを作成し、診療に必要なものを準備しておくことが大切です。

院内スタッフ全員が患者さんのためにスムーズな診療を提供できるよう、必要なものをあらかじめピックアップし、開業に向けて万全の準備をしておきましょう。

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この記事を書いた人

ゆし

医療ライター。医療機器メーカー(東証プライム市場上場)の営業職に約10年間従事。クリニック開業サポート・医院継承サポート実績あり。日々、多くの医師やコメディカルと関わり合いながら、医療ライターとして多くの医療記事を執筆している。

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