訪問診療クリニックにおける医療事務の人材不足の課題を解決|レセプト代行サービス「レセサポ」とは?

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訪問診療クリニックにおける医療事務の人材不足の課題を解決|レセプト代行サービス「レセサポ」とは?

訪問診療クリニックにおけるレセプト作成業務は、診療報酬だけでなく、介護報酬や施設基準など幅広い専門知識が求められ、クリニックにとって大きな業務負担となることが少なくありません。

さらに、レセプト業務に精通した医療事務スタッフの採用は非常に難しく、多くのクリニックが経験豊富な人材の確保に苦しんでいるのが現状です。

このような課題を解決するための一つの手段として、近年ではレセプト作成代行サービスの活用が注目されています。

今回は、在宅医療専門のレセプト代行サービスを提供するメディカルインフォマティクス株式会社 レセサポ事業責任者にお話を伺いました。

訪問診療クリニックが抱えるレセプト作成の課題

─訪問診療クリニックにおけるレセプト作成の課題には、どのようなものがあるのでしょうか?

多くの訪問診療クリニックが抱えている課題のひとつに、医療事務スタッフの採用の難しさがあります。

公益財団法人日本医療保険事務協会(※2)のデータによると、近年受験者数は減少傾向にあります。医療事務を希望する人材自体が少ない状況に加えて、通常の外来診療とは異なる知識を要する、訪問診療のレセプト作成に精通した人材を確保しようと思っても容易ではありません。

また、優秀な人材を確保できたとしても、働き方改革に伴う労務管理などの課題や、人件費の課題なんかもあるでしょう。

たとえば、患者数が急激に増加した場合、新たなスタッフを採用しようとしても即戦力となるスタッフの採用が難しく、業務が逼迫するリスクがあります。反対に、患者数が減少した際には、医療事務スタッフの人件費が固定費として発生し続けるため、コストの調整が困難になるという課題を抱えるクリニックは少なくありません。

(※2)医療保健制度の円滑な運営を目的としている団体。診療報酬請求の能力を認定する試験を毎年実施。

レセプト代行サービスの導入をおすすめできるクリニックとは?

─そのような課題を解決するための手段の一つとして、レセプト代行などのアウトソーシングサービスの活用が挙げられるかと思います。レセプト代行サービスはどのようなクリニックにおすすめでしょうか?

急に人手が不足したクリニックや、新規開業するクリニックはぜひレセプト代行サービスを検討されるといいかと思います。

たとえば、医療事務スタッフの突然の退職により、直近の請求業務への対応が必要な場合、できるだけ早く対処する必要があり、その解決策になり得るのがアウトソーシングサービスの導入だと考えています。

また、在宅医療は他の診療科目と比較すると診療報酬は高めではありますが、近年徐々に減少している傾向があります。この流れを受けて、経営の安定化のためにスモールスタートを切りたいとお考えの新規開業クリニックさんなんかにもおすすめです。

実際に、レセプト代行などのアウトソーシングサービスを活用して、医療事務スタッフを常勤で置かないスタイルで開業される先生もいらっしゃいます。

高いスキルをもつ在宅医療専門の事務スタッフが提供する高品質なサービス

─貴社が提供しているレセプト代行サービスの特徴を教えてください。

弊社では「レセサポ」という名称で、訪問診療クリニックにおけるレセプト代行事業を展開しております。

とくに注目していただきたいのは、スタッフの高い専門性です。

弊社では厳しい基準をクリアした在宅医療専門のスタッフのみが業務に従事しており、在宅医療の知識や制度を問う「全国在宅医療テスト(※1)」にて団体成績順位が安定して毎年全国トップ3%以内の成績をおさめています。

このレベルの医療事務スタッフを揃えることは、クリニック単体では決して容易ではないはずです。

(※1)医療法人ゆうの森が主催する在宅医療に関する試験

─貴社のサービスでは、どのような流れでレセプト作成業務が行われているのでしょうか?

弊社では、業務フローを4工程に分け、それぞれ異なるスタッフが相互にチェックを行う体制を構築しています。クリニックではなかなか複数名による相互チェック体制をとることは難しいため、このような動き方ができるのも我々の強みの一つです。

細やかなチェック体制と高いスキルを持つスタッフの存在により、2023年12月から2024年11月までの1年間で延べ10万件近くレセプト処理を行い、平均の返戻率は1.03%です。多くのクリニックが利用前後と比べて返戻率が低下しています。

また、ほとんどの業務を遠隔で行えるので多くのスタッフが在宅勤務をしています。地域の制限なく優秀な人材を全国各地から確保できる点も、サービスの質を支えている重要な要素です。

レセプト代行サービス導入の効果と実際の声

─レセプト代行サービスの導入により、実際にどのような効果がみられたのか、クリニックからいただくお声などをお聞かせいただけますか?

弊社のサービスを導入いただいたクリニックさまから一番多くいただく声は「本当に自院のスタッフのように感じる」というものです。

とくに、レセプト作成業務のスピード感が自院でスタッフを雇用している時と変わらないことや、請求内容に関する情報共有がスムーズなことなどが、このような評価につながっていると考えています。

非常に分かりやすい効果でいうと、請求漏れの発見があります。

在宅医療における請求は他の診療科と比較して請求項目が多く、漏れが発生しやすいのですが、弊社のサービスを導入いただいたことで、数百万円規模の請求漏れを発見し、クリニックの収益に貢献したケースもあります。

また、レセプト業務を委託することで、クリニック側は地域連携の強化や診療の同行など、患者さまにより近い場所での業務に注力できるようになるというのも、大きな効果のひとつです。

レセプト代行サービスにかかるコストについて

─アウトソーシングサービスの導入にあたり、コスト面の心配をされるクリニックは多いかと思います。実際にどれくらいの費用がかかるのでしょうか?

医療事務を内製化するより、費用が大きくなるケース、小さくなるケース、医療機関様の体制によって、どちらもあり得ますので、詳しくはご相談ください。また教育コストやマネジメントコストなど見えないコストも考慮する必要がありますので、内製化するよりも一見費用が大きくなったとしても、総合的に評価いただけるようであれば、おおよそのケースでご満足いただけることが多いと思います。

また弊社の強みである、トップレベルのスタッフによる正確性の高い業務を提供することで、コスト以上の価値提供ができていると自負しています。

より良い医療の提供のために、クリニックの環境づくりをサポート

─ありがとうございます。最後に、レセプト作成業務に課題を抱えている方々へメッセージをお願いします。

レセサポは多くのクリニックさまにご利用いただき、高い満足度を維持できております。

訪問診療クリニックの運営において避けては通れないレセプト業務をアウトソーシングするという選択肢が、人手不足の解消、業務の効率化、ひいては経営者の方々の心理的な負担の軽減につながれば幸いです。

私たちの願いは、医療専門職がより良い医療を提供できる環境づくりのお手伝いをすることです。

何かお困りのことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

一坊寺 唯

医療ライター・コンテンツディレクター/Cuddle Writing(カドルライティング)代表。大学卒業後、ヘルスケア関連企業にて企画職に従事。2019年にフリーランスWebライターとして独立し、医療・健康ジャンルを中心に多数メディアの記事制作を手がける。「信頼できる医療・健康情報を通じて、ヘルスリテラシーを向上させる」というミッションのもと、医療系記事制作チームCuddle Writingを運営。

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